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コラム

Instagramの写真を自社サイトに載せるときの著作権・肖像権

Instagramに投稿した写真を自社サイトにも並べたい。お客様が投稿してくれた写真も紹介したい。そう考えたときに気になるのが著作権と肖像権です。この記事では、著作権法の条文(e-Gov法令検索)、文化庁の解説、Instagramの利用規約とヘルプセンターをもとに、確認しておきたい点を整理します。結論を先にいうと、考え方は「誰が撮ったか」と「誰が写っているか」の2つで決まります。なお、この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法的な助言ではありません。個別の判断が必要なときは、弁護士などの専門家にご相談ください。

更新日:2026年10月12日

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まず3つのケースに分けて考える

「インスタの写真をサイトに載せてよいか」は、ひとまとめにすると答えが出ません。次の3つに分けると、確認することがはっきりします。

ケース例主に確認すること
A. 自社のアカウントに、自社で撮った写真を投稿した担当者が撮った商品写真や店内の写真写っている人の同意、写り込んだ他人の作品
B. 自社のアカウントだが、撮ったのは社外の人外部のカメラマンが撮影した写真、素材サイトの画像、お客様から提供された写真契約や利用条件がサイトでの利用を認めているか
C. 他人のアカウントの投稿お客様が自分のアカウントに投稿した、自社商品の写真投稿者の許可(原則として必要)

Social Feed by grip space が表示できるのは、連携した自社アカウントの投稿だけです。ハッシュタグで他人の投稿を集めて表示する機能はありません。そのため、このウィジェットで問題になりやすいのはケースAとBで、ケースCの写真を載せたい場合は、許可を得たうえで自社アカウントに投稿する、という流れになります。

写真には著作権がある

著作権法は、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定め(第2条第1項第1号)、例として「写真の著作物」を挙げています(第10条第1項第8号)。文化庁の解説資料でも、写真の著作物の例として肖像写真、風景写真、記録写真が挙げられています。スマートフォンで撮った写真も、構図や光の選び方などに創作性があれば著作物になり得ます。

著作権は、登録などの手続きをしなくても、著作物を作った時点で発生します(第17条第2項「いかなる方式の履行をも要しない」)。著作者は、著作物を複製する権利(第21条)と、インターネットで送信できる状態にすることを含む公衆送信の権利(第23条)を専有します。自社サイトに写真を載せることは、この公衆送信にあたります。

つまり、Instagramに公開されている写真であっても、撮影者の許可なく別のサイトに載せてよいことにはなりません。「ネットで誰でも見られる状態にある」ことと「自由に使ってよい」ことは別です。

ケースA: 自社で撮った写真でも確認したいこと

社員が撮った写真の著作者は誰か。著作権法第15条第1項では、法人の発意にもとづいて業務に従事する人が職務上作成し、法人の名義で公表する著作物は、契約や勤務規則などに別段の定めがない限り、法人が著作者になるとされています。業務として撮影し、会社のアカウントで公開している写真であれば、この条件にあてはまるかを確認しておくとよいでしょう。アルバイトや業務委託の人が撮った写真は、雇用や契約の形によって扱いが変わり得るため、迷う場合は専門家に確認してください。

他人の作品が写り込んでいないか。店内のポスター、壁の絵、キャラクターのぬいぐるみなどが写っている場合です。著作権法第30条の2は、撮影の対象に付随して写り込んだ著作物で、写真の中で「軽微な構成部分」となるものについて、正当な範囲内で利用できると定めています(付随対象著作物の利用、いわゆる写り込み)。ただし、著作権者の利益を不当に害する場合は対象外です。

文化庁の解説では、写り込みとして認められる例と、認められない例が次のように示されています。

文化庁が挙げている例
対象になる例背景に絵画が小さく写り込んだ写真をブログに載せる場合
対象にならない例ポスターや絵画を本来の撮影対象として撮った写真をブログに載せる場合(原則として許諾が必要)

文化庁は、この規定の対象になるかどうかは最終的に個別の事例に応じて司法の場で判断される、とも書いています。商品写真の背景に他社のキャラクターグッズが大きく写っている、といったケースは、撮り直すか、その部分が目立たない写真を選ぶほうが安全です。

ケースB: 社外の人が撮った写真

外部のカメラマンに依頼した写真は、契約で著作権の譲渡や利用範囲を定めていなければ、著作権は撮影者に残るのが原則です。「パンフレット用」として依頼した写真を、Instagramや自社サイトにも使えるかは、契約の内容次第です。発注書や契約書に、利用できる媒体(Web、SNSなど)と期間が書かれているかを確認してください。

素材サイトの画像も同じです。利用規約で、SNSへの投稿や、ほかのサイトへの再掲載に条件が付いていることがあります。Instagramに投稿した時点では問題がなくても、その投稿を自社サイトに並べる使い方まで認められているかは、素材サイトの規約で確認しておきましょう。

お客様から写真を提供してもらう場合も、撮影したのはお客様です。「サイトとInstagramに掲載します」と、使う場所を伝えたうえで了承をもらうのが基本です。

ケースC: 他人の投稿を使いたいとき

Instagramの利用規約は、他人の投稿を使う許可にはならない。Instagramの利用規約では、Instagramは利用者のコンテンツの所有権を主張せず、利用者はInstagramにライセンス(コンテンツをホスト、使用、配信、複製などする権利)を与える、という形になっています。このライセンスはInstagramのサービスのためのもので、第三者である企業が、他人の投稿を自社サイトに転載してよいという定めは見当たりません。また規約は、著作権などの知的財産権を含む他人の権利を侵害する行為を禁じています。

許可をもらう手順。お客様の投稿を紹介したい場合は、次のように進めるとトラブルを避けやすくなります。

  1. 投稿者にDMやコメントで連絡し、使いたい投稿、掲載する場所(自社サイト、自社のInstagramなど)、期間を具体的に伝えます。
  2. クレジット(「写真: @ユーザー名」など)の書き方の希望を聞きます。
  3. 写真に本人以外の人が写っている場合は、その人の了承も得られているかを確認します。
  4. 掲載をやめてほしいときの連絡方法を伝えておきます。
  5. やり取りのスクリーンショットなど、了承をもらった記録を残しておきます。

「引用」で使えるのでは?著作権法第32条は、公表された著作物を引用して利用できると定めていますが、「公正な慣行に合致する」ことと「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内」であることが条件です。文化庁の解説資料では、引用の条件として、引用する必然性があること、引用部分が明確に区別されること、自分の著作物が主で引用部分が従という関係にあること、分量が必要最小限であること、出所を明示すること(第48条)が挙げられています。サイトを飾る目的で他人の写真を並べる使い方は、これらの条件を満たしにくいと考えられます。

Instagram公式の埋め込みについて。Instagramヘルプセンターによると、公式の「埋め込み」機能で第三者のサイトに表示できるのは公開アカウントの投稿で、埋め込みにはユーザーネームとInstagramへのリンクが含まれます。投稿者は設定で埋め込みをオフにできます。公式の機能であっても、他人の投稿を自社の宣伝に使うなら、ひと声かけて了承をもらっておくのが無難です。

写っている人の肖像権

肖像権は、著作権と違って、それを直接定めた法律の条文がありません。一般には、自分の顔や姿をみだりに撮影されたり、公表されたりしない権利として、裁判例の積み重ねによって認められてきたものと説明されます。どこまでが許されるかは、撮影の場所や目的、写り方などによって個別に判断されるため、「この条件なら大丈夫」と言い切れる基準はありません。

文化庁の「自由利用マーク」のQ&Aでも、自分で撮った集合写真について、撮影者は著作者であるものの、写っている人には肖像権があるため、写っている人全員の同意が必要と説明されています。サイトに載せる写真については、次の考え方で臨むと安全です。

  1. 顔がはっきり写っている人には、掲載の同意をもらう。スタッフであっても、Webへの掲載について了承を得ておきます。
  2. お客様が写っている写真は、とくに慎重に。店内の様子を撮るときは、お客様が特定できない角度にするか、同意をもらった人だけを写します。
  3. 子どもが写っている場合は、保護者の同意を。
  4. 退職したスタッフの写真をどうするか決めておく。掲載を続けてよいかを退職時に確認するか、外せるようにしておきます。

芸能人や著名人が写っている写真を宣伝に使う場合は、肖像権とは別に、その人の名前や姿が持つ顧客を引きつける力に関する権利(一般にパブリシティ権と呼ばれます)も問題になり得ます。店に来てくれた著名人の写真を載せたいときは、本人や所属事務所に確認してください。

リールの音源にも注意

Instagramヘルプセンターでは、リールで使える音源のうち、音楽や映画などの「ライセンス音源」は著作権で保護された音源であり、音楽著作権者との契約が変わると投稿内の音源がミュートされることがある、と説明されています。

Social Feed by grip space では、動画の投稿をサイト上の拡大表示で再生できます(最初はミュートで自動再生し、操作バーで音を出せます)。Instagramの外でライセンス音源を流すことの扱いは、今回確認した利用規約とヘルプセンターには明記されていませんでした。気になる場合は、ウィジェットの絞り込みで「リールを除外」にするか、動画を含めない設定にしておくと安心です。

ウィジェットの設定でできる対策

権利の確認が済んでいない投稿をサイトに出さないために、Social Feed の設定を次のように使えます。

やりたいこと使う設定
特定の投稿をサイトに出さないキャプションのキーワードで「除外」を指定する(例: 投稿のキャプションに「#サイト非掲載」などの目印を入れておく)
許可を取った投稿だけを出すキャプションのキーワードで「含む」を指定し、目印を入れた投稿だけを表示する
古い投稿を出さない期間の絞り込み(30日・90日・365日)
動画・リールを出さないリールを除外、動画を含めない
キャプションを出さない拡大表示でキャプションを表示しない
すぐに全部止めたいウィジェットを非公開に切り替える(埋め込みタグは何も表示しなくなります)

Instagramで投稿を削除すると、サイトの一覧からも消えます。有料プランではすぐに反映されますが、フリープランはサイトへの反映が1日1回なので、急ぐ場合はウィジェットを非公開にしてください。絞り込みの詳しい使い方は「Instagramの投稿を自社サイトに埋め込む方法」もあわせてご覧ください。

掲載前のチェックリスト

  1. その写真を撮ったのは誰か(社員、外部のカメラマン、お客様、素材サイト)。
  2. 社外の人が撮った写真なら、契約や利用条件でWebサイトでの利用が認められているか。
  3. 顔がはっきり写っている人の同意を得ているか。子どもは保護者の同意があるか。
  4. 他人の作品(ポスター、絵、キャラクター)が大きく写っていないか。
  5. リールに音楽などのライセンス音源を使っていないか。
  6. 他人の投稿を使うなら、投稿者の許可と、その記録があるか。
  7. 掲載をやめてほしいと言われたときに、すぐ外せる手順を決めているか。

よくある質問

クレジット(@ユーザー名)を書けば、許可なしで載せてよいですか?出所の明示は、引用などで著作物を使う場合の条件のひとつ(第48条)で、許可の代わりになるものではありません。クレジットを入れても、引用の条件を満たさない使い方なら、撮影者の許可が必要です。

お客様が自社の商品をタグ付けして投稿してくれました。使ってよいですか?タグ付けは、写真を使ってよいという許可とは別のものです。紹介したい場合は、上の手順で投稿者に了承をもらってください。

自社のアカウントに投稿した写真なら、サイトに並べても問題ありませんか?写真の著作権が自社にあり、写っている人の同意も取れていれば、自社サイトに表示することに大きな問題は生じにくいでしょう。著作権が社外の人にある写真は、利用の範囲を確認してください。

相手から削除を求められたらどうすればよいですか?まずはInstagramとサイトの両方から速やかに外し、そのうえで事情を確認するのが一般的な対応です。Instagramヘルプセンターも、著作権について法的な助言はできないとして、必要に応じて弁護士への相談を勧めています。

まとめ

Instagramの写真を自社サイトに載せるときは、「誰が撮ったか」で著作権を、「誰が写っているか」で肖像権を確認します。自社で撮影し、写っている人の同意も得た写真であれば、サイトに並べやすくなります。Social Feed by grip space は自社アカウントの投稿だけを表示するので、権利を確認した写真を自社アカウントに投稿していけば、サイトの一覧もそのまま整います。サイトへの表示にはプロアカウントへの切り替えが必要です。準備ができたら無料で登録できます(料金は料金プランをご覧ください)。

この記事は2026年10月12日時点の一般的な情報で、法的な助言ではありません。個別の事案については、弁護士などの専門家にご相談ください。

参考にした資料

e-Gov法令検索「著作権法(昭和45年法律第48号)」 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048

文化庁「いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備について」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/utsurikomi.html

文化庁「令和6年度 著作権事務担当者講習会 著作権制度の概要について」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/seminar/2024/pdf/94088901_01.pdf

文化庁「自由利用マーク Q&A集」 https://www.bunka.go.jp/jiyuriyo/qa2.html

Instagramヘルプセンター「利用規約」 https://help.instagram.com/581066165581870

Instagramヘルプセンター「著作権」 https://help.instagram.com/126382350847838

Instagramヘルプセンター「Instagramの投稿またはプロフィールを埋め込む」 https://help.instagram.com/620154495870484

Instagramヘルプセンター「Instagramのリール動画で使用できる音源」 https://help.instagram.com/329208821595430

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