更新日:2026年8月16日
法人番号とは、国税庁が法人などに1件ずつ指定する13桁の番号で、誰でも自由に利用できる公表情報です。
マイナンバー(個人番号)と違い、法人番号は公表され、利用に制限がありません。
実務で最も価値があるのは「同じ会社かどうかを確実に判定できる」点です。社名の文字列一致では、表記ゆれで別会社として扱われます。
基本的な性質
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 桁数 | 13桁 |
| 指定対象 | 設立登記法人、国の機関、地方公共団体など |
| 公表される情報 | 法人番号、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地 |
| 利用の制限 | なし(誰でも自由に利用できる) |
| 変更 | 商号や所在地が変わっても番号は変わらない |
| 支店・事業所 | 独自の番号は指定されない |
支店には番号が付きません。拠点単位で管理したい場合は、法人番号+自社の拠点コードといった形で持つ必要があります。
なぜ実務で有用か
| 課題 | 法人番号がない場合 | 法人番号がある場合 |
|---|---|---|
| 表記ゆれ | 「(株)◯◯」と「株式会社◯◯」が別扱い | 同一と判定できる |
| 同名の別法人 | 区別できない | 区別できる |
| 社名変更 | 別の会社に見える | 追跡できる |
| 重複の統合 | 手作業 | 機械的に処理できる |
| 外部データとの突合 | 社名で照合(精度が低い) | 確実に結合できる |
「同名の別法人」は想像以上に多くあります。全国に同じ社名の会社が複数存在することは珍しくありません。
営業リストでの使い方
- 重複を除去する:同じ会社が複数回入っていないか
- 既存顧客・商談中の企業を除外する:二重アプローチを防ぐ
- 過去に断られた先を除外する:記録と照合
- 閉業した企業を除く:登記情報と突合
- 外部の企業データベースと結合する:業種、規模、所在地を補完
二重アプローチの防止が最も実害を防ぎます。同じ会社の別部署に複数の営業が同時に連絡すると、顧客からの信頼を失います。
顧客データでの使い方
| 場面 | 使い方 |
|---|---|
| 名刺の統合 | 同じ会社の複数担当者をまとめる |
| 会社単位での集計 | 部署別に登録されていても合算できる |
| グループ会社の把握 | 別法人として正しく分ける |
| 請求と商談の突合 | システムをまたいで結合 |
| 与信の確認 | 外部の信用情報と照合 |
BtoBでは「会社単位」と「担当者単位」の両方で見る必要があります。法人番号は会社単位の軸になります。
取得の方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 国税庁の公表サイトで検索 | 社名や所在地から調べる |
| 公表データのダウンロード | 全件または差分 |
| 提供されているAPI | システムから照会 |
| 取引先から教えてもらう | 請求書や契約書に記載されていることがある |
| 企業データベースの利用 | 法人番号付きで提供されるものがある |
既存の顧客データに法人番号を後から付ける作業は、社名と所在地でのマッチングになります。表記ゆれがあるため、完全自動では埋まりません。
名寄せの手順
| 順 | やること | 注意 |
|---|---|---|
| ① | 社名を正規化する | 記号、空白、旧字体を統一 |
| ② | 「株式会社」の位置を揃える | 前株・後株を区別する |
| ③ | 所在地を正規化する | 都道府県・市区町村 |
| ④ | 社名+所在地で候補を絞る | 1件に絞れないものは保留 |
| ⑤ | 複数候補があるものは目視で確認 | 同名の別法人に注意 |
| ⑥ | 法人番号を付与する | — |
⑤を省くと、同名の別法人を結合する事故が起きます。自動処理で1件に絞れなかったものは、必ず人が確認してください。
注意点
| 注意 | 内容 |
|---|---|
| 個人事業主には指定されない | 法人のみが対象 |
| 支店には付かない | 拠点管理は別の仕組みが要る |
| 公表情報は限定的 | 業種や規模は含まれない |
| 閉業しても番号は残る | 登記の状態を別途確認 |
| 同名の別法人が存在する | 社名だけで判定しない |
| 海外法人は対象外 | — |
法人番号だけでは業種や従業員数は分かりません。これらは別の情報源から取得し、法人番号で結合する形になります。
まとめ
- 法人番号は13桁。公表され、利用に制限がない
- 最大の価値は同じ会社かを確実に判定できること
- 表記ゆれと同名の別法人の問題を解消できる
- 営業リストでは重複除去と二重アプローチの防止に使う
- 顧客データでは会社単位の軸になる
- 名寄せは1件に絞れないものを目視確認する
- 支店には付かない。業種・規模も含まれない
よくある質問
法人番号は自由に使ってよいのですか?
公表されている情報で、利用に制限はありません。マイナンバー(個人番号)とは扱いがまったく異なり、自社のデータベースに保持することも、外部データとの突合に使うことも可能です。国税庁の法人番号公表サイトで検索でき、データの一括取得も提供されています。
既存の顧客データに法人番号を付けるには?
社名と所在地でマッチングします。手順としては、社名から記号・空白を除いて正規化し、「株式会社」の前後を区別したうえで、都道府県・市区町村と組み合わせて候補を絞ります。1件に絞れなかったものは必ず目視で確認してください。同名の別法人を結合する事故が起きます。
支店ごとに管理したい場合はどうしますか?
法人番号は支店には指定されません。拠点単位で管理する場合は、法人番号に自社の拠点コードを組み合わせて管理する形になります。「法人番号+拠点ID」を主キーとし、集計時は法人番号で合算できる構造にしておくと、会社単位と拠点単位の両方で見られます。
法人番号から企業の業種や規模は分かりますか?
分かりません。公表されているのは法人番号・商号または名称・所在地の3つです。業種や従業員数、売上といった情報は、企業データベースや公的機関の別の情報源から取得し、法人番号をキーにして結合する形になります。