
更新日:2026年10月2日
MA ツール(マーケティングオートメーション)を比較するとき、 機能一覧を並べてもあまり差がつきません。 来訪企業の判定もシナリオ配信もフォームも、 たいていの製品に載っています。
実際に差が出るのは 「その機能が、いくらから使えるか」 です。 本コラムでは MA ツール10製品を、 料金を公開しているか・来訪企業の判定が標準かオプションか・最低いくらから使えるか の3点で比較します。 あわせて、 判定した企業の詳細がどこまで分かるかも整理しました。
grip space の料金は、フリープランを含む3プランでご用意しています。 料金プランを見る
MAツールとは(1分で)
MA は Marketing Automation(マーケティングオートメーション)の略です。 サイトに来た見込み客の行動を記録し、 条件に応じてメールやコンテンツを自動で出し分けて、 商談にできる状態まで育てる仕組みを指します。
具体的には次のような機能の集まりです。
- 1来訪企業の判定 ── 問い合わせしていない訪問者を、 IP アドレスから会社名で特定する
- 2フォーム・ポップアップ ── 行動に応じて出し分け、 連絡先を獲得する
- 3シナリオ配信 ── 獲得後の行動に応じてメールを自動で送る
- 4営業への受け渡し ── 見込み度が上がった相手を営業が動ける形で渡す
このうち BtoB で最初に効くのは1番です。 日本の BtoB サイトは問い合わせ率が 1% 前後で、 残りの 99% は名前が分からないまま帰ります。 その 99% の一部を会社名で把握できるようになるのが、 MA ツールを入れていちばん早く変わる部分です。
選び方 ─ 機能一覧ではなく3点を見る
比較表に「○」が並ぶと差が分からなくなります。 実際に見るべきなのは次の3点です。
- 1料金が公開されているか ── 国産 MA ツールの多くは料金を公開していません。 比較の段階で金額が分からないと、 候補を絞る作業そのものができません。 公開している製品でも、 年間一括前払いが前提のことがあります。
- 2来訪企業の判定が標準かオプションか ── 機能として「ある」製品は多いですが、 別途オプション契約や上位プランが必要なことがあります。 ここが総額を大きく変えます。
- 3最低いくらから、どの契約期間で使えるか ── 月額だけでなく、 初期費用と 年間一括払いが前提かどうかを確認します。 試してから判断したい場合、 ここが実質的な参入障壁になります。
MAツール比較10選【比較表】
※ 2026年10月時点の各社公開情報をもとにしています。 料金を公開していない製品は「非公開(要問い合わせ)」と記載しました。 条件は変更される場合があるため、 最新情報は各社公式サイトでご確認ください。 掲載順は優劣を示すものではありません。
| ツール | 料金 | 来訪企業の判定 | 無料で試せるか |
|---|---|---|---|
| grip space(ibis studio) | 0円/8,800円/25,000円(税別) | 標準 | フリープランで可 |
| SATORI | 初期300,000円+月148,000円(税別・年間一括) | あり | 要問い合わせ |
| List Finder | 月5,000円〜92,000円 | プランにより異なる | 要問い合わせ |
| BowNow | 無料〜月10,000円〜 | あり | 無料プランあり |
| テトリ(tetori) | 月10,000円〜 | オプション | 要問い合わせ |
| SHANON MARKETING PLATFORM | 月60,000円/120,000円/300,000円 | あり | 要問い合わせ |
| ferret One | 非公開(要問い合わせ) | あり | 要問い合わせ |
| Kairos3 | 非公開(要問い合わせ) | あり | 要問い合わせ |
| HubSpot | 無料〜(上位は有料) | 標準では非対応 | 無料ツールあり |
| Salesforce(Account Engagement) | 非公開(要問い合わせ) | あり | 要問い合わせ |
表にして分かるのは、 10製品のうち料金を公開しているのは7製品という点です。 非公開は ferret One・Kairos3・Salesforce の3製品です。 ただし公開されていても、 最小構成が月 6 万円のもの、 年間一括前払いが前提のものがあり、 「公開されている」ことと「試しやすい」ことは別です。
各ツールの特徴
1grip space(ibis studio)当サイト
フリープランが 0 円で、 来訪企業の判定とレポートまで使えます。 どんな会社が来ているかを、 契約前に 0 円で確認できます。
スタータープラン(月 8,800 円)から、 会社ごとのアクセス履歴と、 自社の企業データベース(583万社)から付与する企業の詳細情報(事業内容・業種・企業 URL など)が見られます。 「どの会社が、いつ、どのページを見たか」「その会社は何をしている会社か」が揃うのはここからです。 スタンダードは 25,000 円(税別、 初期費用 50,000 円)。
| 料金 | フリー 0円/スターター 8,800円/スタンダード 25,000円(税別) |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | 標準。フリープラン(0円)で判定とレポートまで |
| 企業の詳細情報 | 自社DB 583万社から付与(スターター以上)。判定企業で事業内容 82.6%・業種 82.1% |
| こんな企業に | まず判定を試してから判断したい中小企業・BtoB |
| 注意点 | 会社ごとの履歴と企業の詳細はスターター(8,800円)から。大企業向けの高度なスコアリングやSFA連携は上位製品ほど手厚くない |
2SATORI
国産 MA の代表的な製品で、 匿名リードへのアプローチに強みを持ちます。 「MAツール」の検索結果でも上位に出てくる認知度の高い製品です。 公開情報では 初期費用 300,000 円+月額 148,000 円(税別)、 年間契約で前払いの一括請求となっています。 初年度は 200 万円を超える規模になるため、 予算を確保したうえで本格的に運用する前提の製品です。
| 料金 | 初期 300,000円+月額 148,000円(税別)/年間契約・前払い一括 |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | あり |
| こんな企業に | 予算を確保済みで、匿名リードの施策を本格的に回したい企業 |
| 注意点 | 年間一括前払いのため、試してから判断する使い方はしにくい |
3List Finder
BtoB 向けの国産 MA で、 料金を公開している数少ない製品です。 公開情報では月 5,000 円から 92,000 円までの段階的な料金設定になっており、 使える機能がプランによって変わります。 どのプランで来訪企業の判定が使えるかは、 契約前に確認が必要です。
| 料金 | 月5,000円〜92,000円(公開情報) |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | プランにより異なる |
| こんな企業に | 段階的に機能を増やしたい BtoB 企業 |
| 注意点 | 必要な機能が上位プランに含まれる場合、総額が上がる |
4BowNow
無料プランから始められる国産 MA です。 公開情報では有料プランが月 10,000 円からで、 無料で試せる選択肢としては grip space と並ぶ候補になります。 まず操作感を確かめたい場合に検討しやすい製品です。
| 料金 | 無料〜月10,000円〜(公開情報) |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | あり |
| こんな企業に | 無料から始めて段階的に広げたい企業 |
| 注意点 | 無料プランで使える範囲は事前に確認が必要 |
5テトリ(tetori)
公開情報では 月額 1 万円からと、 導入しやすい価格帯の Web 接客・MA ツールです。 ポップアップやチャットでの接客に強みがあります。 来訪企業の判定はオプションの扱いなので、 判定が目的の場合は基本料金に加算される前提で見積もる必要があります。
| 料金 | 月10,000円〜(公開情報) |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | オプション |
| こんな企業に | Web 接客(ポップアップ・チャット)を主目的にしたい企業 |
| 注意点 | 判定を使う場合はオプション料金が加わる |
6SHANON MARKETING PLATFORM
イベント・セミナー運営の機能まで含む国産 MA です。 展示会やウェビナーを軸にリードを集める企業に向いています。 公開情報では 月額 60,000 円・120,000 円・300,000 円の3段階です。
| 料金 | 月60,000円/120,000円/300,000円(公開情報) |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | あり |
| こんな企業に | セミナー・展示会のリード管理まで一体で扱いたい企業 |
| 注意点 | 最小構成でも月6万円。イベント機能が不要な場合は過剰になりうる |
7ferret One
サイト制作(CMS)と MA が一体になった BtoB 向け製品です。 サイトの作り替えから一緒に進めたい場合に候補になります。 料金は公開されていません。
| 料金 | 非公開(要問い合わせ) |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | あり |
| こんな企業に | サイト制作と MA を同時に進めたい企業 |
| 注意点 | 既存サイトをそのまま使う場合は機能が重複する |
8Kairos3
国産 MA で、 スコアリングとメール配信を中心に扱います。 営業部門との連携を前提にした設計です。 料金は公開されていません。
| 料金 | 非公開(要問い合わせ) |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | あり |
| こんな企業に | スコアリングを軸に営業へ渡したい企業 |
| 注意点 | 運用設計の手間がかかる |
9HubSpot
世界的に利用されている MA / CRM プラットフォームです。 無料のマーケティングツールがあるため、 メール配信やフォームから試しやすい一方、 日本の法人を IP から判定する機能は標準では備えていません。 来訪企業の判定が目的の場合は別の手段が必要です。
| 料金 | 無料〜(上位は有料) |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | 標準では非対応 |
| こんな企業に | CRM を含めて基盤から整えたい企業・海外展開がある企業 |
| 注意点 | 日本の法人判定は別手段が必要。上位プランは高額になりやすい |
10Salesforce(Account Engagement)
Salesforce の CRM と同じ基盤で動く MA です。 既に Salesforce を使っている企業にとっては連携の手間が小さくなります。 料金は公開されていません。
| 料金 | 非公開(要問い合わせ) |
|---|---|
| 来訪企業の判定 | あり |
| こんな企業に | 既に Salesforce を導入済みの企業 |
| 注意点 | 導入・運用の難易度と費用が高くなりやすい |
来訪企業の判定は「あるか」より「いくらで使えるか」
比較表で「あり」が並ぶ理由は単純です。 国内で IP アドレスから日本の法人を特定できる事業者は限られており、 複数の MA ツールが同じ判定データを利用しています。 つまり判定の中身は、 製品が違っても近い場合があります。
差が出るのは条件です。 実際に候補を当たると、 次のような違いが出ます。
| 選択肢 | 判定の扱い | 実際に使うための条件 |
|---|---|---|
| 上位の国産 MA | 標準 | 月 10 万円超+初期費用。年間一括前払いの場合がある(例: SATORI は初期30万+月14.8万) |
| Web 接客系ツール | オプション | 基本料金に判定のオプション料が加算される |
| 判定 API の直接契約 | 判定のみ | 1サイト向けの安価なプランは計測だけで、レポートや企業単位の履歴は付かない |
| grip space | 標準 | フリープラン(0円)で判定とレポートまで。履歴と企業の詳細はスターター(8,800円)から |
とくに見落としやすいのが3行目です。 判定の API を直接契約すれば安く済みそうに見えますが、 安価なプランは「判定して計測する」ところまでで、 どの会社がいつ何を見たかを一覧やレポートで見る仕組みは自分で作ることになります。
「判定できるか」ではなく 「判定した結果を、いくらで、どこまで見られるか」 で比べると、 製品の差がはっきりします。
判定した企業の詳細はどこまで分かるか
会社名が分かっても、 それだけでは営業は動けません。 どんな会社なのかが分からないと、 誰に何を話すか決められないためです。
ここは製品によって大きく変わります。 判定データの提供元が返す範囲(社名・所在地・業種など)に留まる製品と、 自社で企業データベースを持っていて追加の情報を付与できる製品があります。
grip space は後者です。 583 万社の企業データベースを保有し、 判定した会社の法人番号で突き合わせて情報を付与します(スタータープラン 月 8,800 円以上)。 実際に判定された企業 4,000 社で測った付与率は次のとおりです(2026年10月実測)。
| 項目 | 付与率 |
|---|---|
| 所在地 | 100.0% |
| 事業内容 | 82.6% |
| 業種 | 82.1% |
| 企業URL | 73.8% |
| 従業員数 | 50.7% |
| 上場区分 | 44.2% |
| 売上規模 | 43.8% |
そしてもう一つの違いが 履歴の蓄積です。 会社ごとにアクセス履歴を溜められると、 「どの会社が、いつ、どのページを何回見たか」が後から追えます。 1 回の訪問を知るのではなく、 関心が高まっていく過程が見えるかどうかの差です。
ここは無料枠では使えない製品が多い部分です。 grip space も履歴の蓄積と企業の詳細情報はスタータープラン(月 8,800 円)からで、 フリープランは判定とレポートまでです。 BowNow も公開情報で「企業解析・個人解析のログの蓄積期間は過去2年間(フリープランを除く)」と記載しています。 無料でどんな会社が来ているかを確かめ、 続けると決めてから履歴と詳細を足すという順序になります。
※ 判定には限界があります。 固定 IP で接続している法人は特定できますが、 在宅勤務やモバイル回線からのアクセスは原理的に判定できません。 どの製品を使っても同じです。 詳しくは 来訪企業が特定できないのはなぜか|IP判定の限界 をご覧ください。
よくある質問
- MAツールとは何ですか?
- Marketing Automation の略です。 見込み客の行動を記録し、 条件に応じてメールやコンテンツを自動で出し分けて、 商談にできる状態まで育てる仕組みを指します。 BtoB では「問い合わせしていない訪問者を会社名で把握する」ところから効き始めます。
- 無料で使えるMAツールはありますか?
- grip space はフリープラン(0円)から利用でき、 来訪企業の判定とレポートまで使えます。 ただし会社ごとのアクセス履歴と企業の詳細情報はスタータープラン(月 8,800 円)からです。 BowNow も無料プランを用意しています。 HubSpot は無料のマーケティングツールがありますが、 日本の法人判定は標準では含まれません。
- 来訪企業の判定はどのMAツールにもありますか?
- 機能としては多くの製品が備えています。 差が出るのは使える条件で、 別途オプションが必要な製品、 上位プランのみで使える製品、 年間一括払いが前提の製品があります。
- 判定した企業の詳細情報はどこまで分かりますか?
- 製品によって異なります。 判定データの提供元が返す範囲に留まる製品が多い一方、 自社で企業データベースを持つ製品は事業内容や従業員数などを追加で表示できます。 grip space は判定企業で事業内容 82.6%、 業種 82.1% が付与されています(付与情報の閲覧はスタータープラン 月 8,800 円から)。
- IP判定のAPIを直接契約するのとMAツールを使うのはどちらが良いですか?
- 判定だけが目的なら直接契約でも足りますが、 1サイト向けの安価なプランは計測のみで、 レポートや企業単位の履歴は提供されません。 営業につなげたい場合は、 判定とレポートが一体の製品のほうが扱いやすくなります。
まとめ
MA ツールの比較は、 機能一覧ではほとんど差がつきません。 見るべきなのは次の3点です。
- 1料金が公開されているか ── 10製品のうち公開しているのは7製品でした
- 2来訪企業の判定が標準かオプションか ── 「あり」でも別料金のことがあります
- 3判定した結果をどこまで見られるか ── 会社の詳細情報と、会社単位の履歴が付くか
まず判定を試してから判断したい場合は、 無料で判定まで使える製品から始めるのが確実です。 grip space はフリープラン(0円)で来訪企業の判定とレポートまで使え、 会社ごとの履歴と企業の詳細情報はスタータープラン(月 8,800 円)からです。 月 10 万円規模の製品を年間一括で契約する前に、 自社サイトにどんな会社が来ているのかを 0 円で確かめられます。 どのプランが合うか分からない場合は、 画面を見ながら 30 分でオンライン相談も可能です。


