ChatGPT に「〜を頼める会社は?」と聞くと、数社をリンク付きで挙げてくれます。外注先や発注先を探すとき、最初の候補選びを AI に任せる人が増えています。
これは、BtoB のサイトにとって検索順位とは別の入口ができたということです。この記事では、いま起きていることと、当社グループのサービスで実際にあったこと、BtoB のサイトがいまからやっておくことと、AI から来たアクセスの測り方を説明します。
ChatGPT などのAIから来たアクセスを分けて見るなら、grip space のアクセス解析。流入元「chatgpt.com」などとして記録します。 アクセス解析の機能を見る
ChatGPTが発注先の候補を挙げるようになった
ChatGPT に「WordPress の保守を頼める会社は?」「経理代行のおすすめは?」のように聞くと、条件に合いそうな会社を数社、理由とリンクを付けて挙げてくれます。何社かに問い合わせる前の候補選び(ショートリスト作り)を、AI に任せる人が増えています。
このような質問では、ChatGPT は答える前に Web を検索し、比較記事や各社の料金ページ・サービスページを読んでから答えます。つまり、AI が読める場所に自社の情報が書かれているかどうかで、候補に入るかどうかが変わります。
| これまでの探し方 | AIに聞く探し方 |
|---|---|
| 検索結果の上から順にサイトを開く | AI が数社を選び、理由を付けて挙げる |
| 比較記事を自分で読み比べる | AI が比較記事や料金ページを読んで要約する |
| 上位に出るかどうかの競争 | 候補として名前が挙がるかどうかの競争 |
事例:料金と対応範囲を書いたページから、問い合わせが来た
当社グループで運営している WordPress の制作・保守サービス「ワプラボ」で実際にあったことです。自社グループの事例であることをお断りしておきます。
料金と対応範囲を書いたページを追加した
10月に、PHP のバージョンアップ対応、WordPress の保守、サーバーの引っ越しなど、保守やトラブル対応のページを追加しました。どのページにも、料金と、どこまで対応するかを書いています。
その後、ChatGPT から来る訪問と問い合わせが目に見えて増え、問い合わせが立て続けに来ました。
ChatGPTから来た人が入ってきたページ
- 入口はサービスページが中心:ChatGPT から入ってきたページは、料金と対応範囲を書いたサービスページが中心で、コラム記事より多くなっていました。
- 問い合わせまで進みやすい:ChatGPT から来た人は、サイト全体と比べて、問い合わせページまで進む割合が高くなっていました。
AI に候補として紹介されてから来る人は、すでに「頼む先を探している」段階にいます。読み物よりも、料金と対応範囲を確かめられるページに入ってくるのは自然なことです。
ChatGPTに聞いてみると
実際に ChatGPT に次のように聞いてみました(2026年10月31日に確認)。
質問:WordPressの保守を月額で安く頼めるおすすめの会社は?
回答(要約):ワプラボを、月額8,000円〜という料金と、含まれる作業(更新・バックアップ・表示確認・改ざんチェック・死活監視)を挙げて、「内容と価格のバランスが良い」と紹介。引用元はワプラボの保守サービスのページでした。
AI が紹介の理由にしたのは、ページに書いてある料金と作業の内容そのものでした。「お問い合わせください」だけのページでは、「月額で安く」という条件に合うかどうかを AI が判断できません。
AI の回答は、聞くたびや聞き方によって変わります。毎回同じ会社が同じように挙がるとは限りません。
AIから来たアクセスも、流入元として見る
AIの回答のリンクは参照元を送らず、直接アクセスに紛れがちです。grip space は URL の utm_source を見て、ChatGPT・Perplexity・Copilot・Gemini・Claude から来たアクセスを流入元として記録します。
アクセス解析の機能を見るBtoBでAIからの集客が効く理由
候補選びをAIがしている
BtoB の発注は、何社かを比べてから選ぶのが普通です。その最初の候補選びを、AI がしています。AI に名前を挙げてもらえれば、比較記事の上位に載るのと同じ効果があります。逆に挙がらなければ、比べてもらう前に候補から外れます。
少ない人数でも価値が大きい
BtoB は1件の取引の単価が高いので、AI から来る人が少なくても、1件の問い合わせの価値は大きくなります。しかも AI から来る人は、候補として紹介されたうえで来ています。前の章の事例でも、問い合わせページまで進む割合はサイト全体より高くなっていました。
検索順位を追うだけでは見えない
AI が候補を選ぶときに読むのは、検索で1位のページとは限りません。検索順位を追っているだけでは見えない入口になっているので、別に意識して準備する必要があります。
AIに候補として挙げてもらうためにやること
特別な技術は要りません。AI が読んだときに「この会社は条件に合う」と判断できる材料を、ページに書いておくことが基本です。
- 1料金と対応範囲をページに書く ── 「料金はお問い合わせください」だけにせず、目安の金額と、含まれる作業・含まれない作業を書きます。「月額で」「安く」「〇〇に対応できる」といった条件で聞かれたときに、AI が判断できるようになります。
- 2よくある質問を載せる ── 「どこまで対応してもらえるか」「契約期間は」「急ぎでも頼めるか」など、発注前に聞かれることを、質問と答えの形で書きます。そのまま AI の回答の材料になります。
- 3よそのサイトに載る ── AI は自社サイトだけでなく、比較記事や発注先探しのサイトも読みます。自社以外の場所で名前が挙がっていることも、候補に入る材料になります。
- 4Bing Webmaster Tools に登録する ── ChatGPT の検索は Bing の索引を多く使うとされています。Google Search Console だけでなく、Bing Webmaster Tools にもサイトを登録し、サイトマップを送っておきます。
引用されやすい書き方(結論を先に書く、一次情報を持つ、誰が書いたかを示す など)は「生成AIの回答に引用されるには|一次情報と、出典の明示」で詳しく説明しています。業界の用語を整理して AI に読ませやすくする方法は「用語集ページの作り方」も参考にしてください。
AIから来たアクセスの測り方
AI からの集客を考えるなら、まずどれだけ来ているかが見える状態にしておく必要があります。ここで注意したいのが、ChatGPT などの AI の回答のリンクは、多くの場合、参照元(どのサイトから来たか)を送らないことです。代わりに URL の末尾に utm_source=chatgpt.com のような目印を付けるだけなので、解析の仕方によっては「直接アクセス」に紛れてしまいます。
当社の grip space では、URL の utm_source が AI のサービスを示していれば、そのアクセスの流入元を「chatgpt.com」などとして記録します。対象は次のとおりです。
| AIのサービス | URLに付いた utm_source | 流入元の表示 |
|---|---|---|
| ChatGPT | chatgpt.com / chat.openai.com / openai | chatgpt.com |
| Perplexity | perplexity / perplexity.ai | www.perplexity.ai |
| Microsoft Copilot | copilot.microsoft.com | copilot.microsoft.com |
| Gemini | gemini.google.com | gemini.google.com |
| Claude | claude.ai | claude.ai |
記録したアクセスは、アクセスレポートの「リファラー」タブに、ほかのサイトから来たアクセスと同じように「chatgpt.com」などの名前で表示されます。参照元が送られてきた場合は、もともとその参照元のサイト名で記録されるので、どちらの場合も同じ名前にそろいます。
どの AI から、どれだけ来ているかが分かれば、「料金ページを足したら AI からの訪問が増えたか」のように、やったことの効果も確かめられます。
この記録は2026年10月30日以降のアクセスが対象です。それより前に記録されたアクセスは、直接アクセスのままです。AI のサービス側が utm_source を付けずにリンクした場合や、URL をコピーして開いた場合は、AI から来たことは分かりません。
よくある質問
ChatGPTは、どうやって紹介する会社を選んでいるのですか?
発注先を探すような質問では、ChatGPT は回答の前に Web を検索し、比較記事や各社のサービスページを読んで、その内容をもとに答えます。料金や対応範囲がページに書かれていれば、質問の条件に合うかどうかを AI が判断する材料になります。
アクセスが少ないBtoBサイトでも、AIからの集客を考える必要はありますか?
あります。BtoB は1件の取引の単価が高いため、AI から来る人が少なくても、問い合わせにつながれば価値は大きくなります。当社グループの事例でも、ChatGPT から来た人は、サイト全体と比べて問い合わせページまで進む割合が高くなっていました。
ChatGPTから来たアクセスは、アクセス解析でどう見えますか?
ChatGPT の回答のリンクは参照元を送らず、URL に utm_source=chatgpt.com を付けるだけのことが多いため、解析の仕方によっては「直接アクセス」に紛れます。grip space では、utm_source が ChatGPT などの AI のサービスであれば、流入元を chatgpt.com などとして記録します。
検索順位の対策とは別に、何をすればよいですか?
料金と対応範囲をページに書くこと、よくある質問を載せること、比較記事や発注先探しのサイトに掲載されること、Bing Webmaster Tools に登録することの4つから始めるのがおすすめです。
まとめ
- 発注先の候補選びを ChatGPT に任せる人が増えている。ChatGPT は Web を検索し、比較記事や料金ページを読んで答える
- 当社グループのワプラボでは、料金と対応範囲を書いたページを足したあと、ChatGPT からの訪問と問い合わせが増えた。入口はサービスページが中心だった
- AI に名前を挙げてもらえれば、比較記事の上位に載るのと同じ効果がある。BtoB は単価が高いので、少ない人数でも価値が大きい
- 料金と対応範囲を書く、よくある質問を載せる、よそのサイトに載る、Bing Webmaster Tools に登録する
- AI のリンクは直接アクセスに紛れやすい。utm_source を見て、AI から来たアクセスを分けて測る


