お客様からの問い合わせを待っているフォームに、営業の連絡ばかりが届く。本当の問い合わせが埋もれる、仕分けに時間を取られる、という相談は珍しくありません。
当社はフォーム営業ツールを提供しており、送る側の仕組みを作っています。その立場から、どう書けば送る側のツールに読み取られるか、フォームの作りでどこまで減らせるかを説明します。すべての営業を止める方法はありませんが、減らすためにできることはあります。
送る側の立場の方へ。「営業お断り」の会社には送らない仕組みを、フォーム営業 by grip space でご紹介しています。 フォーム営業 by grip space を見る
なぜ問い合わせフォームに営業が来るのか
問い合わせフォームは、誰でも、会社の担当部署に直接連絡できる入口です。代表電話がつながりにくくなり、メールアドレスを公開しない会社も増えたため、新規の営業にとっては数少ない「確実に届く入口」になっています。
さらに、フォームへの入力と送信を自動で行うツールが広まり、1社あたりの手間が小さくなりました。送る側の考え方や手順は「フォーム営業とは?やり方5ステップと注意点」で説明しています。
送り手には大きく2種類あります。
- 相手の意思を確認して送る送り手 ── 「営業お断り」の表示を見て送らない、断られたら二度と送らない
- 確認せずに送る送り手 ── 表示があっても送ってくる
前者は、表示を書いておくだけで止まります。後者は表示だけでは止まらないので、フォームの作りや受け取った後の仕分けで対処します。
まず「営業お断り」をフォームの近くに書く
最初にやることは、「営業のご連絡はお断りしています」と、フォームのページに書くことです。費用がかからず、相手の意思を確認する送り手からの連絡は、これで止まります。
書く場所は、フォームのすぐ上か入力欄の近く
大事なのは書く場所です。フォーム営業ツールが確認するのは、問い合わせフォームがあるページです。会社概要や別ページに書いても、そこまでは読まれません。
さらに、ツールによってはメニュー・ヘッダー・フッター・サイドバーの文言を確認の対象から外しています。当社のツールもそうです。ブログ記事の見出しやメニューの項目に含まれる言葉を拾って、誤った判定をしないためです。つまり、フッターだけに書いた表示は、読み取られないことがあります。
- 1フォームのすぐ上に書く ── 「お問い合わせ」の見出しと入力欄の間。人にも、ツールにも、最も確実に伝わります。
- 2画像ではなく文字で書く ── 画像の中の文字は、ツールには読めません。
- 3外部のフォームを埋め込んでいる場合も、ページ側に書く ── 埋め込みフォームの中まで読むツールもありますが、読まないツールもあります。ページ側に書いておくほうが確実です。
伝わる言葉を使う
「お断り」「営業目的」「ご遠慮ください」のように、意味がはっきりした言葉を使ってください。「ご用件によってはお返事できない場合があります」のような遠回しな書き方は、人にもツールにも、営業を断っているとは伝わりません。
そのまま使える「営業お断り」の文例
フォームのすぐ上に置く文例です。自社の運用に合わせて選んでください。
文例1:営業の連絡をすべて断る
営業・勧誘を目的としたご連絡はお断りしております。このフォームからの営業のご連絡には、お返事いたしかねます。
文例2:提案は別の窓口で受け付ける
このフォームは、製品・サービスについてのお問い合わせ専用です。営業・ご提案のご連絡はご遠慮ください。お取引のご提案は、「ご提案受付」のページからお送りください。
※ 文例2の「ご提案受付」のページは、実際の窓口へのリンクにしてください。
文例3:送信前の確認欄にする
□ 営業・勧誘目的のご連絡ではありません
チェック欄は、人が手で送るときの抑止になります。ただし、同意欄などのチェックを自動で入れるツールもあるので、チェック欄だけにせず、文例1か2の文章と一緒に置いてください。
「お断り」の会社には、送らない
送る前に相手のページの「営業お断り」を確認し、記載のある会社には送りません。断られた会社は除外リストに入り、次のリストからも外れます。
フォーム営業 by grip space を見るフォームの作りで減らす
表示だけでは止まらない送り手もいます。フォームの作りで、本当の問い合わせと営業を分けて受け取るようにしておくと、埋もれる問題は小さくなります。
| 方法 | 効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 「ご提案受付」の窓口を分ける | 営業の連絡が別の宛先に届き、本当の問い合わせが埋もれない | 窓口を用意した以上、ときどきは目を通す |
| 問い合わせ種別に「営業・ご提案」を設ける | 種別で通知先を分けられる | 正直に選ばない送り手もいる |
| メールの振り分け | 「【ご提案】」「【営業のご連絡】」などの言葉で別のフォルダへ | 本当の問い合わせが紛れ込まないか、ときどき確認する |
| reCAPTCHA | プログラムによる大量の迷惑送信を減らす | 人が手で送る営業は止まらない。対応しているツールもある |
おすすめは、「ご提案受付」の窓口を分ける方法です。営業の連絡を断るだけでなく「送るならこちらへ」と示すと、送り手の多くはそちらを使います。取引先を広げたい会社にとっては、良い提案を拾える窓口にもなります。
問い合わせフォームの項目の決め方は「フォームの項目数とCV率|何を削るか」で説明しています。
届いた営業への断り方
文面に送信者の会社名と連絡先が書いてあれば、短く返信して断るのがいちばん確実です。相手の意思を確認する送り手は、断りの連絡を受けた会社を送信の対象から外します。
返信の文例
ご連絡ありがとうございます。
大変恐れ入りますが、現在このようなご提案は受け付けておりません。今後のご連絡は不要です。
丁寧に理由を書く必要はありません。「検討します」のような含みを残す返事をすると、追いかけの連絡が続くことがあります。断るときは、はっきり断るほうが、お互いに手間がかかりません。
送信者が分からない、連絡先が無い、内容が不審な連絡には、返信しなくてかまいません。
法律ではどう扱われるか
広告や宣伝の電子メールは、特定電子メール法で、原則としてあらかじめ同意を得た相手にだけ送れることが定められています。メールアドレスを公表している事業者には同意なく送れる例外がありますが、アドレスと併せて「広告メールお断り」などを表示している場合は、例外に当たらないとされています(総務省・消費者庁「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」)。
一方で、問い合わせフォームからの送信がこの法律の「電子メール」に当たるかどうかは、ガイドラインに明記がありません。このため「フォームからの営業は違法」とも「対象外だから自由」とも、この記事では言いません。いずれにしても、「お断り」の表示は、受け取る側の意思をはっきり示す方法として役に立ちます。
詳しくは「問い合わせフォームからの営業|嫌がられない送り方と文面の型」の「法律との関係」の節で整理しています。
この節は、公的な資料をもとにした一般的な情報で、法的な助言ではありません。判断に迷う場合は、専門家にご確認ください。
送る側の方へ:お断りを守る仕組み
この記事を、送る側の立場で読んでいる方もいると思います。受け取る側が困っている理由は、断っているのに届くことと、断ったのにまた届くことです。どちらも、送る側の仕組みで防げます。
当社の フォーム営業 by grip space では、次のように動きます。
- 送る前に、相手のページを確認する:問い合わせフォームのページ(埋め込みフォームの中も含む)に「お断り」「営業目的」などの言葉があれば、その会社には送りません。
- フォームの代わりにメールで送ることもしない:お断りの表示を見つけた会社には、メールアドレスがあっても送りません。
- 断られた会社は、二度と送らない:返信で断られた会社に「お断り」を記録すると、除外リストに入り、以後どのリストからも外れます。
- 同じ会社に重ねて送らない:「重複送信防止」で再送までの日数を決めておくと、その期間内に送った会社には、別のリストに入っていても送りません。
送り方のマナーと文面の型は「問い合わせフォームからの営業|嫌がられない送り方と文面の型」にまとめています。
よくある質問
「営業お断り」と書けば、営業は届かなくなりますか?
すべては止まりません。フォーム営業ツールの中には送信前にページの「お断り」の表示を確認し、記載のある会社には送らないものがありますが、確認しないツールや、人が手作業で送る場合もあります。それでも、表示があれば確認するツールからの送信は止まり、届いた営業を断るときの根拠にもなるので、書いておく価値はあります。
「営業お断り」はページのどこに書けばよいですか?
問い合わせフォームのすぐ上か、入力欄の近くに書いてください。ツールによっては、誤って判定しないようにメニュー・ヘッダー・フッター・サイドバーの文言を確認の対象から外しています。フッターやサイトの別ページだけに書いても、読み取られないことがあります。
届いた営業に返信して断ってもよいですか?
問題ありません。文面に送信者の会社名と連絡先が書かれていれば、「今後のご連絡は不要です」と短く返信すれば十分です。きちんとした送り手は、断りの連絡を受けた会社を送信の対象から外します。送信者が分からない、連絡先が無い連絡には、返信する必要はありません。
reCAPTCHAを入れれば営業は止まりますか?
reCAPTCHAは、プログラムによる大量の迷惑送信を減らすのには役立ちます。ただ、人が手で送る営業は止められず、reCAPTCHAに対応しているフォーム営業ツールもあるため、営業の連絡を止める決め手にはなりません。「営業お断り」の表示や、営業用の窓口を分けることと組み合わせてください。
まとめ
- 「営業お断り」は、問い合わせフォームのすぐ上に、画像ではなく文字で書く。フッターだけでは読み取られないことがある
- 「お断り」「営業目的」「ご遠慮ください」など、意味のはっきりした言葉を使う
- 表示で止まらない送り手には、「ご提案受付」の窓口を分けて、本当の問い合わせと分けて受け取る
- reCAPTCHAは決め手にならない。表示や窓口分けと組み合わせる
- 連絡先のある営業には、短く、はっきり断る