フォーム営業の成果は、文面より先にリストで決まります。どれだけ良い文面でも、提案と関係の薄い会社に送れば反応はありません。
もう一つ、フォーム営業のリストには特有の落とし穴があります。リストに載せた会社に、全部送れるわけではないことです。当社が自社で運用したときは、3,877社のリストのうち、実際に送れたのは2,025社(52%)でした(フォーム営業の実績データ)。
この記事では、フォーム営業に使うリストを、送れる会社・送るべき会社だけに絞って作る手順を説明します。営業リスト全般の作り方は「営業リストの作り方|条件の決め方と、精度を上げる手順」で紹介しています。
送れない会社・送らない会社を外したリストは、フォーム営業 by grip space で条件を選ぶだけで作れます。毎月50通まで無料です。 フォーム営業 by grip space を見る
フォーム営業のリストに必要な項目
フォーム営業のリストは、電話営業のリストと持つべき項目が少し違います。電話番号より、サイトと問い合わせフォームの場所が大事です。
| 項目 | 必要度 | 使い道 |
|---|---|---|
| 会社名 | 必須 | 文面の宛名、送った記録、重複の確認 |
| サイトのURL | 必須 | 問い合わせフォームを探す、同じ名前の別の会社と区別する |
| 問い合わせフォームのURL | あると速い | フォームを探す手間が省ける |
| 業種 | あるとよい | 条件で絞る、業種ごとに文面を変える |
| 所在地(都道府県) | あるとよい | 対応できるエリアで絞る |
| 規模(資本金など) | あるとよい | 提案が合う規模で絞る |
| 事業内容 | あるとよい | 本業で絞る、文面で相手の事業に触れる |
サイトのURLは、送るためだけでなく会社を見分けるためにも必要です。会社名は同じ名前の別の会社が珍しくありません。社名だけで管理していると、別の会社に送ったり、同じ会社に二重に送ったりします。法人番号があれば、さらに確実に見分けられます(法人番号とは?営業リストと顧客データでの使い方)。
リストに「送れない会社」が混ざる理由
当社の実績で、リストの半分ほどしか送れなかった主な理由は次のとおりです。
- 問い合わせフォームが設置されていない(電話番号やメールアドレスだけを載せている)
- フォームの形式が特殊で、送信できない
- 「営業目的の送信はお断り」などの記載がある
- 送信を試みたが、フォームのエラーなどで完了しなかった
このほかにも、サイトが閉鎖している、ページが表示できない、会社自体がすでに閉鎖している、といった会社は、どのリストにも一定数混ざります。古いリストほど、この割合は増えます。
送れない会社を送る直前に1社ずつ見つけていると、作業の大半が「送れないことの確認」になります。リストを作る段階で、送れない会社をできるだけ外しておくのが効率的です。
送る相手の条件の決め方
条件は、業界 × 規模 × エリアの3つで決めるのが基本です。
- 1業界 ── いまの取引先の業界から始めます。実績のある業界なら、文面に具体的な事例を書けます。
- 2規模 ── 提案の価格帯に合う規模にします。小さすぎる会社には予算がなく、大きすぎる会社では問い合わせ窓口から担当者に届きにくくなります。
- 3エリア ── 訪問や対面での対応が必要なら、対応できる範囲に絞ります。オンラインで完結する提案なら、全国でもかまいません。最初は近いエリアで試し、件数が足りなければ隣の地域に広げます。
「本業」で絞る
業界で絞るときに見落としやすいのが、その事業が本業かどうかです。たとえば「Web制作」で探すと、本業の制作会社のほかに、印刷会社や広告代理店が事業の一つとして挙げている場合も入ってきます。提案がWeb制作会社向けなら、本業の会社を先に、事業の一つとして挙げている会社は後に回します。
条件をどう決めるかに迷ったら、過去に商談や受注につながった会社の共通点から逆算してください。条件の決め方は「ABMのターゲットリストの作り方|最初に選ぶ100社の決め方」も参考になります。
送れる会社だけの、リストを作る
500万件超の法人データから、業界・エリア・資本金で選ぶだけ。サイトが無い会社や過去に断られた会社は、最初から外します。手持ちのリストもCSVで取り込めます。
フォーム営業 by grip space を見る作る前に外す会社
条件で集めた会社から、送る前に次の会社を外します。フォーム営業では、誰に送るかより、誰に送らないかのほうが大事です。
| 外す会社 | 理由 |
|---|---|
| サイトのURLが無い・サイトが閉鎖している・表示できない | フォームを探せず、送れない |
| 「営業お断り」の記載がある | 相手がはっきり断っている |
| すでに取引がある会社 | 社内の連携不足が相手に伝わる |
| 過去に商談した・断られた会社 | 新規の営業として送る相手ではない |
| 最近送ったばかりの会社 | 重ねて送ると、迷惑に感じられる |
| サイトの情報が乏しい会社 | 活動の実態が分からず、文面を合わせられない |
特に、取引先・商談中の会社・断られた会社は、リストを作るたびに外す必要があります。毎回手作業で突き合わせるのではなく、「送らない会社の一覧」を1つ持っておき、どのリストからも自動で外れるようにしておくと、漏れが起きません。
「営業お断り」の見つけ方や、送るときのマナーは「問い合わせフォームからの営業|嫌がられない送り方と文面の型」で説明しています。
手持ちのリストを使うとき
展示会で名刺交換をした会社、過去に問い合わせがあった会社、業界団体の名簿など、手持ちのリストを使う場合は、次の点に気をつけます。
サイトのURLを付けておく
名刺や名簿には、会社名と電話番号しか無いこともあります。フォーム営業に使うなら、サイトのURLを付け足してください。URLがあれば、問い合わせフォームはそこから探せます。
社名の表記をそろえる
「(株)」と「株式会社」、全角と半角、旧字体などが混ざると、同じ会社が別の会社として二重に登録されます。取り込む前に表記をそろえ、できればURLで照らし合わせます。
接点のある相手には、文面を変える
名刺交換をした相手や、過去に問い合わせがあった相手は、まったく初めての相手ではありません。初めての会社向けの文面ではなく、「先日の展示会でお会いした」など、実際の接点に触れた文面にしてください。ただし、事実と違う接点を書くのは避けてください。
何社用意すればよいか
リストの件数は、送りたい件数の約2倍を目安にします。当社の実績では送れたのは52%だったので、500社に送りたいなら、1,000社ほどのリストが必要になります。
ただし、件数を増やすために条件をゆるめるのは逆効果です。当社の運用でも、リストの質を落として件数を稼ぐと、反応の率がそれ以上に下がり、反応の件数は増えませんでした。件数が足りないときは、条件をゆるめる前に、エリアを広げる・業界を隣の業界に広げるほうが、質を保てます。
1日に送る件数も決めておきます。送った後の返信や問い合わせに対応できる量にしておかないと、反応があっても取りこぼします。
フォーム営業 by grip space でのリストの作り方
当社の フォーム営業 by grip space では、この記事で説明した手順を、500万件超の法人データから条件を選ぶだけで行えます。
- 条件:業界・都道府県(近隣や全国に広げることもできます)・資本金・上場/非上場で選べます。選んだ業界が本業の会社を優先し、事業の一つとして挙げている会社は後に回します。
- 送れない会社を最初から外す:公式サイトのURLが無い会社、閉鎖している会社、サイトが表示できない会社は、リストに入りません。並び順は、ホームページの内容がしっかりした会社が先です。
- 送らない会社を自動で外す:過去に商談・受注・お断りになった会社と、除外リストに登録した会社は、どのリストからも外れます。「重複送信防止」で日数を決めておけば、その期間内に送った会社も外れます。送る直前には「営業お断り」の記載も確認します。
- 条件をAIが提案:貴社のサイトをAIが読み、狙う業界・規模・エリアの案を出します(フリープランは月3回まで)。
- 手持ちのリスト(ライトプラン以上):会社名を必須に、サイトや問い合わせフォームのURLなどを入れたCSVを、1回1,000社まで取り込めます。問い合わせフォームのURLが無い会社は、サイトから自動で探します。すでに登録済みの会社は、同じ会社として扱います。
1つのリストは最大1,000社です。1日あたりの社数と日数を決めると、配信日まで自動で割り振ります。送信数は送信を完了できた件数だけを数えるので、送れなかった会社の分はかかりません。毎月50通までは無料です。
よくある質問
フォーム営業のリストは何社くらい用意すればよいですか?
送りたい件数の約2倍が目安です。当社の実績では、リストに載せた3,877社のうち実際に送れたのは2,025社(52%)でした。フォームが無い会社や「営業お断り」の会社が混ざるためです。リストの件数ではなく、送れる見込みの数から逆算してください。
フォーム営業のリストに必要な項目は何ですか?
最低限必要なのは、会社名と、会社のサイトのURLです。問い合わせフォームのURLがあれば、送る作業が速くなります。業種・所在地・規模・事業内容があると、条件で絞り込んだり、文面を相手に合わせたりできます。
展示会で集めた名刺のリストにもフォーム営業をしてよいですか?
送ること自体はできますが、名刺交換をした相手は、すでに接点のある相手です。初めての会社に送る文面ではなく、展示会でお会いしたことに触れた文面にしてください。また、すでに取引がある会社や、社内の別の担当者がやり取りしている会社は、送る前に外してください。
同じ会社名の会社がリストに複数ある場合はどうすればよいですか?
会社名だけでは、同じ名前の別の会社と区別できません。サイトのURLや法人番号で照らし合わせてください。社名だけで突き合わせると、別の会社に送ったり、同じ会社に二重に送ったりする原因になります。
まとめ
- リストに載せた会社に全部は送れない。当社の実績では52%
- 必須の項目は会社名とサイトのURL。URLは会社を見分けるためにも使う
- 条件は業界 × 規模 × エリア。業界は本業の会社を優先する
- サイトが無い・閉鎖・営業お断り・取引先・断られた会社は、作る段階で外す。送らない会社の一覧を1つ持つ
- 手持ちのリストはURLを付け、表記をそろえ、接点に触れた文面で送る
- 件数は送りたい数の約2倍。足りないときは条件をゆるめず、エリアや隣の業界に広げる