更新日:2026年8月16日
提案書とは、顧客の課題に対する解決策と、その効果・費用・進め方をまとめ、導入の判断材料として提示する資料のことです。
提案書は商談の場だけで使われるものではありません。担当者が社内で回覧し、決裁者が読みます。
そのため説明がなくても読んで分かる形にする必要があります。
構成の型
| 順 | 要素 | 役割 |
|---|---|---|
| 1 | 表紙(提案名、宛先、日付) | — |
| 2 | 1枚サマリ | 決裁者が最初に読む |
| 3 | 課題の整理 | 認識が合っているかの確認 |
| 4 | 解決の方向性 | どう解決するか |
| 5 | 具体的な内容 | 何を提供するか |
| 6 | 効果 | 数字で |
| 7 | 導入の進め方とスケジュール | — |
| 8 | 費用 | — |
| 9 | 体制・サポート | — |
| 10 | 導入事例 | — |
| 11 | 会社概要 | 与信・審査用 |
2の「1枚サマリ」を必ず入れてください。決裁者は全部を読みません。1枚で判断できる形が必要です。
1枚サマリに書くこと
- 解決したい課題:現状の数字
- 提案の概要:何を、どの範囲で
- 効果:金額または時間
- 費用:初期、月額、年間
- 回収期間:何か月で費用を上回るか
- 導入時期:いつから使えるか
- リスクと対策:合わなかった場合
この7項目が1枚に収まっていれば、決裁者はそこだけで判断できます。
課題の書き方
| 悪い | 良い |
|---|---|
| 「業務が煩雑になっている」 | 「リスト作成に月20時間かかっている」 |
| 「効率化が求められている」 | 「担当者1名に依存し、不在時は停止する」 |
| 一般論の業界動向 | 商談で聞いた具体的な発言 |
| 自社の推測 | 「◯◯とお伺いしました」と出典を示す |
課題は商談で聞いた相手の言葉で書いてください。こちらの推測で書くと、「分かっていない」と受け取られます。
効果の示し方
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 前提条件 | 「現状の商談化率が維持された場合」など明記 |
| 削減できる時間 | 月◯時間 × 人件費 |
| 増える売上 | 商談増 × 受注率 × 単価 |
| 防げる損失 | — |
| 数字の根拠 | どこから算出したか |
| 幅を持たせる | 「月15〜25時間の削減」 |
効果は控えめに、前提条件を明記してください。過大な試算は決裁者に見抜かれ、資料全体の信頼を失います。
費用の見せ方
| 項目 | 明記すること |
|---|---|
| 初期費用 | — |
| 月額・年額 | — |
| 契約期間 | 最低利用期間 |
| 追加費用が発生する条件 | 後から出ないように |
| 含まれるもの | サポート、更新 |
| 含まれないもの | — |
| 支払い条件 | — |
「追加費用が発生する条件」を必ず書いてください。後から想定外の費用が出ると、担当者が社内で立場を失います。
社内で回覧されることを前提にする
| 配慮 | 内容 |
|---|---|
| 話さなくても分かる | 口頭補足がなくても読める |
| 専門用語に説明を添える | 決裁者は現場ではない |
| 1スライド1メッセージ | — |
| 読む順番を示す | 「まず2ページ目をご覧ください」 |
| 配布用に整える | PDFで送れる形 |
| 社名・日付を正確に | 誤りは信用を損なう |
提案書は担当者が社内で戦うための武器です。担当者が説明できない資料では通りません。
よくある失敗
| 失敗 | 結果 | 対処 |
|---|---|---|
| 機能の説明が中心 | 課題との関係が伝わらない | 課題起点で書く |
| ページ数が多い | 読まれない | 本編は10〜15ページ |
| 効果が過大 | 信頼を失う | 控えめに、前提を明記 |
| 費用の条件が曖昧 | 後から揉める | 追加費用を明記 |
| 他社の提案書の使い回し | 課題と合わない | 課題部分だけでも書き換える |
| 1枚サマリがない | 決裁者が判断できない | 必ず入れる |
| 社名の誤り | 致命的 | 必ず確認 |
「他社の提案書の使い回し」は見抜かれます。せめて課題と効果の部分は、その相手に合わせて書き換えてください。
提出後にすること
| やること | タイミング |
|---|---|
| 社内で説明する相手を確認する | 提出時 |
| 追加で必要な資料を聞く | 同上 |
| 質問への回答 | 都度 |
| 進捗の確認 | 1〜2週間後 |
| 止まっている箇所を聞く | 反応がないとき |
「社内でどなたに説明されますか」と聞いておくと、必要な資料を追加で用意できます。
まとめ
- 提案書は商談の場だけで使われるものではない
- 1枚サマリを必ず入れる
- 課題は相手の言葉と数字で書く
- 効果は控えめに、前提条件を明記
- 追加費用が発生する条件を必ず書く
- 説明がなくても読んで分かる形にする
- 他社の提案書を使い回さない
よくある質問
提案書は何ページくらいが適切ですか?
本編は10〜15ページを目安にしてください。冒頭に1枚サマリを置き、詳細な資料(セキュリティ、機能一覧など)は別紙にします。ページ数が多いと読まれず、決裁者に届く前に止まります。
効果はどう書けばよいですか?
控えめに、前提条件を明記して書いてください。「現状の商談化率が維持された場合」といった条件を添え、幅を持たせた数字(月15〜25時間の削減)にします。過大な試算は決裁者に見抜かれ、その1点で資料全体の信頼が失われます。
提案書が社内で通りません。
1枚サマリがあるかを確認してください。決裁者は全部を読みません。課題・提案概要・効果・費用・回収期間・導入時期・リスクの7項目が1枚に収まっていれば、そこだけで判断できます。あわせて、追加費用が発生する条件を明記しているか、専門用語に説明を添えているかも確認してください。
他の顧客向けの提案書を流用してもよいですか?
課題と効果の部分は必ず書き換えてください。使い回しは見抜かれます。特に課題の記述は、その商談で聞いた相手の発言と数字を使う必要があります。会社概要や機能説明など、相手によらない部分の流用は問題ありません。