更新日:2026年8月16日
営業資料の使い分けとは、商談の段階と読み手に応じて、渡す資料を変えることです。
1つの資料ですべての場面を賄おうとすると、どの場面でも中途半端になります。
場面ごとに読み手と目的が違うためです。
場面別に必要な資料
| 場面 | 読み手 | 資料 | 分量 |
|---|---|---|---|
| 初回接触 | 担当者 | サービス概要 | 1〜2枚 |
| 資料請求 | 担当者 | サービス紹介資料 | 15〜25ページ |
| 初回商談 | 担当者 | 課題に絞った説明 | 抜粋 |
| 提案 | 担当者+上長 | 提案書 | 10〜15ページ |
| 稟議 | 決裁者 | 1枚サマリ+費用対効果 | 1〜3枚 |
| 情報システム部門 | 技術担当 | セキュリティ・仕様 | 別資料 |
| 見積 | 購買・経理 | 見積書 | — |
稟議用の1枚サマリを必ず用意してください。決裁者は全部を読みません。
読み手で変わること
| 読み手 | 関心事 | 資料に入れるもの |
|---|---|---|
| 担当者 | 自分の作業が楽になるか | 操作、使い方、導入の流れ |
| 上長 | 部門の成果、費用対効果 | 効果の試算、同業の実績 |
| 決裁者 | 事業への影響、リスク | 投資回収、契約条件 |
| 情報システム部門 | セキュリティ、連携 | 認証、監査、仕様 |
| 購買・法務 | 価格、契約条件 | 見積、契約書のひな型 |
担当者向けの資料を決裁者に渡しても通りません。関心事がまったく違います。
作り分けの範囲
| 資料 | 作り分け | 理由 |
|---|---|---|
| サービス紹介資料 | 共通 | — |
| 提案書 | 個別 | その相手の課題に合わせる |
| 1枚サマリ | 個別 | 数字が変わる |
| 事例 | 業種別に用意 | — |
| セキュリティ資料 | 共通 | — |
| 見積 | 個別 | — |
すべてを個別に作る必要はありません。共通で使えるものと、個別に作るものを分けてください。
用意しておく資料
| 資料 | 用途 | 優先度 |
|---|---|---|
| サービス紹介資料 | 初回、資料請求 | 最高 |
| 導入事例(業種別) | — | 最高 |
| 料金・プランの説明 | — | 最高 |
| 1枚サマリのひな型 | 稟議用 | 高 |
| 費用対効果の試算シート | — | 高 |
| よくある質問 | — | 高 |
| セキュリティチェックシート | 情報システム部門 | 中 |
| 比較表 | 競合が想定される場合 | 中 |
| 導入の流れ | — | 中 |
| 契約書のひな型 | — | 中 |
「費用対効果の試算シート」を用意しておくと、提案のたびに作る必要がありません。数字を入れ替えるだけで済みます。
渡すタイミング
| 資料 | タイミング |
|---|---|
| サービス概要 | 初回接触時 |
| サービス紹介資料 | 資料請求時、商談後 |
| 事例 | 商談中、その相手に近いものを |
| 提案書 | 提案の場で |
| 1枚サマリ | 提案時に同封 |
| セキュリティ資料 | 情報システム部門が関わると分かったとき |
| 見積 | — |
セキュリティ資料は先回りして渡してください。審査で止まる時間が短くなります。
資料の管理
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保管場所 | 1か所に統一 |
| 最新版の明示 | 更新日を入れる |
| 旧版の削除 | 使われないように |
| 更新の担当 | — |
| 更新の頻度 | 料金は変更時、実績は半年 |
| 閲覧の追跡 | 誰がどこまで見たか |
古い料金の資料が出回ると、商談で食い違いが起きます。旧版は確実に削除してください。
資料が使われない原因
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| どこにあるか分からない | 置き場所を1か所に |
| 最新版が分からない | 更新日を明記 |
| 場面に合わない | 場面別に用意 |
| 量が多すぎる | よく使う5〜10点に絞る |
| 作った側が使わせようとするだけ | 使った結果を共有 |
資料は増やすほど使われなくなります。定期的に棚卸ししてください。
まとめ
- 1つの資料ですべての場面を賄わない
- 読み手で関心事が違う(担当者・上長・決裁者・情シス)
- 稟議用の1枚サマリを必ず用意する
- 費用対効果の試算シートをひな型にしておく
- セキュリティ資料は先回りして渡す
- 旧版を確実に削除する
- 資料は増やすほど使われない
よくある質問
資料は何種類用意すべきですか?
まずサービス紹介資料、業種別の導入事例、料金の説明の3つです。これに稟議用の1枚サマリ、費用対効果の試算シート、よくある質問を加えると、主要な場面をカバーできます。情報システム部門が関わる商材では、セキュリティチェックシートも用意してください。
すべて個別に作るべきですか?
必要ありません。サービス紹介資料、セキュリティ資料、よくある質問は共通で使えます。個別に作るのは提案書と1枚サマリ、見積です。特に1枚サマリは、ひな型を用意して数字を入れ替える形にすると、提案のたびに作る必要がなくなります。
決裁者向けの資料はどう作りますか?
1枚に収め、投資回収と契約条件を中心に書いてください。決裁者の関心は事業への影響とリスクで、操作性や機能の詳細ではありません。担当者向けの資料をそのまま渡しても通りません。課題・提案概要・効果・費用・回収期間・導入時期・リスクの7項目が1枚にあれば判断できます。
資料が社内で使われません。
置き場所と場面が明確か確認してください。どこにあるか分からない、最新版が判別できない、場面に合わないのいずれかが原因のことが多くあります。あわせて、量が多すぎると選べなくなります。よく使う5〜10点に絞り、旧版は確実に削除してください。