更新日:2026年8月16日
RFM分析とは、最終購入日(Recency)、購入頻度(Frequency)、購入金額(Monetary)の3指標で顧客をランク分けし、優先的に接触すべき層を判断する手法です。
もともと通信販売で使われてきた手法で、限られた販促予算をどの顧客に使うかを決めるために作られました。
3指標のうちRecency(最終購入日)が最も予測力が高いとされます。しばらく買っていない顧客は、金額が大きくても離れつつある可能性が高いためです。
3つの指標
| 指標 | 見るもの | 高いと |
|---|---|---|
| Recency(直近性) | 最後に購入した日からの経過日数 | 関心が維持されている |
| Frequency(頻度) | 一定期間の購入回数 | 習慣化している |
| Monetary(金額) | 累計または平均の購入金額 | 収益への貢献が大きい |
Recencyは短いほど良いため、他の2指標と評価の向きが逆になります。ランク付けの際に取り違えないよう注意してください。
ランク付けの手順
- ① 期間を決める:直近12か月など。商材の購入サイクルに合わせる
- ② 各指標を5段階に分ける:顧客を並べて上位20%ずつ区切る
- ③ 3桁のコードを付ける:R5F4M3 のように
- ④ 主要なセグメントに名前を付ける:優良、離反懸念、新規など
- ⑤ セグメントごとに施策を決める
②で絶対値の基準(例:3回以上ならF5)を使うと、事業の成長に伴って分布が偏ります。相対的な区切り(上位何%)のほうが運用しやすいです。
区切りの例
| ランク | Recency(最終購入からの日数) | Frequency(12か月の回数) | Monetary(累計) |
|---|---|---|---|
| 5 | 30日以内 | 10回以上 | 50万円以上 |
| 4 | 31〜90日 | 6〜9回 | 30〜50万円 |
| 3 | 91〜180日 | 3〜5回 | 15〜30万円 |
| 2 | 181〜365日 | 2回 | 5〜15万円 |
| 1 | 366日以上 | 1回 | 5万円未満 |
数値は商材によって大きく変わります。自社の顧客分布を見てから決めてください。
セグメント別の施策
| セグメント | RFMの傾向 | 施策 |
|---|---|---|
| 優良顧客 | R5 F5 M5 | 特別対応、先行案内、アップセル提案 |
| 安定顧客 | R4-5 F3-4 M3-4 | 継続の維持。定期的な情報提供 |
| 離反懸念 | R1-2 F4-5 M4-5 | 最優先で接触。理由のヒアリング、復帰の提案 |
| 新規 | R5 F1 M1-2 | 2回目の購入につなげる。使い方の案内 |
| 低頻度・高単価 | R3 F1-2 M5 | 購入サイクルに合わせた案内 |
| 休眠 | R1 F1-2 M1-2 | 低コストの一斉施策のみ。個別対応はしない |
最も投資対効果が高いのは「離反懸念」です。過去に多く買っていた顧客は、戻る可能性が新規獲得より高くなります。
BtoBで使うときの注意
| 注意点 | 理由 | 対処 |
|---|---|---|
| 購入頻度が低い | 年1回の契約更新など | Frequencyの重みを下げる |
| 単発高額が多い | 設備投資、システム導入 | Monetaryだけで判断しない |
| 担当者が変わる | 異動・退職で関係が切れる | 担当者単位でも接触履歴を見る |
| 月額課金だと頻度が一定 | SaaS等 | Frequencyの代わりに利用頻度を使う |
| 意思決定者が複数 | 購買履歴に現れない | 商談履歴と併せて見る |
SaaSではRFMをそのまま使うより、「最終ログイン日 × 利用頻度 × 契約金額」に読み替えるほうが実態に合います。
RFM以外の指標と組み合わせる
| 組み合わせる指標 | 分かること |
|---|---|
| 初回購入からの経過月数 | 育ちきった顧客か、まだ伸びる顧客か |
| 取扱商品の種類数 | 複数商品を使う顧客は継続しやすい |
| 問い合わせ・クレーム履歴 | 不満が蓄積していないか |
| メールの反応(開封・クリック) | 関心が続いているか |
メールの反応低下は、購入停止より早く現れます。RFMのRが落ちる前の予兆として使えます。
まとめ
- RFMは直近性・頻度・金額の3指標で顧客をランク分けする手法
- Recencyの予測力が最も高い
- 区切りは絶対値より相対的(上位何%)のほうが運用しやすい
- 最も投資対効果が高いのは離反懸念層
- BtoBでは頻度が低いため、指標の読み替えが要る
- メールの反応低下は、購入停止より早い予兆になる
よくある質問
RFM分析はどんな商材に向きますか?
繰り返し購入がある商材に向きます。EC、消耗品、定期的な発注がある卸売などです。逆に、購入が一生に数回しかない商材(住宅、車)や、月額固定のサブスクリプションではそのままでは機能しにくく、指標の読み替えが必要になります。
3つの指標のうち、どれを重視すべきですか?
一般にRecency(直近性)が最も将来の購入を予測します。しばらく購入がない顧客は、累計金額が大きくても離れつつあることが多いためです。ただし商材の購入サイクルが長い場合は、Recencyの基準日数を長めに取ってください。
休眠顧客にはどう接触すべきですか?
RFMのすべてが低い層に個別営業をかけると、費用対効果が合いません。メール配信など低コストの一斉施策に留め、反応があった顧客だけ個別対応に切り替えるのが基本です。一方、過去の購入額が大きい休眠顧客(R1 M5)は例外で、個別に接触する価値があります。
分析はどのくらいの頻度で更新しますか?
購入サイクルの4分の1程度の間隔が目安です。月次で購入がある商材なら月次、四半期に1回の購入なら月次から隔月で更新します。更新しないとRecencyが古いまま判断することになり、離反の検知が遅れます。