更新日:2026年8月16日
リードスコアリングとは、見込み客の属性と行動に点数を付け、営業が優先的に接触すべき相手を見分ける仕組みです。
リード数が増えると、営業が全件に対応することはできません。限られた時間をどこに使うかを決めるために使います。
設計で最も多い失敗は「項目を増やしすぎること」です。最初は5〜8項目で始め、受注実績と照らして調整していくのが現実的です。
2種類のスコア
| 種類 | 見るもの | 意味 |
|---|---|---|
| 属性スコア | 業種、企業規模、役職、地域 | 狙っている顧客像に合っているか |
| 行動スコア | 閲覧、資料DL、メール開封、再訪 | 検討がどこまで進んでいるか |
この2つは分けて管理してください。属性が合っていても行動がなければ「まだ早い」、行動があっても属性が外れていれば「対象外」と、打つ手が変わります。
属性スコアの例
| 項目 | 条件 | 点 |
|---|---|---|
| 企業規模 | 従業員50〜300名 | +15 |
| 従業員300名超 | +5 | |
| 従業員10名未満 | −10 | |
| 業種 | 受注実績の多い業種 | +15 |
| 対象外の業種 | −20 | |
| 役職 | 部長以上 | +15 |
| 担当者 | +5 | |
| メールアドレス | 法人ドメイン | +10 |
| フリーメール | −10 | |
| 地域 | 対象商圏内 | +5 |
マイナス点を入れることが重要です。加点だけの設計だと、対象外の企業でも行動を重ねれば高得点になってしまいます。
行動スコアの例
| 行動 | 点 | 理由 |
|---|---|---|
| 料金ページを見た | +20 | 検討が具体化している |
| 導入事例を3本以上見た | +15 | 比較段階 |
| 資料をダウンロードした | +15 | 情報収集を始めた |
| 問い合わせフォームまで来た(未送信) | +25 | あと一歩 |
| ウェビナーに参加した | +20 | 時間を使っている |
| メールを開封した | +3 | 関心の維持 |
| メール内リンクをクリックした | +8 | 具体的な関心 |
| 2週間以内に再訪した | +15 | 検討が続いている |
| 採用ページ・IRページのみ閲覧 | −10 | 検討目的ではない |
料金ページと問い合わせフォーム到達の配点を高くしてください。この2つは受注との相関が最も強く出ます。
時間による減衰を入れる
| 最終行動からの経過 | 扱い |
|---|---|
| 〜2週間 | スコアをそのまま維持 |
| 1か月 | 行動スコアを50%に減衰 |
| 3か月 | 行動スコアを0にリセット |
| 6か月以上 | 育成対象から低頻度配信へ |
減衰を入れないと、半年前に活発だったリードが上位に居座り続けます。スコアは「今の検討度」を表すものなので、時間で下げてください。
閾値の決め方
- ① まず点数を付けるだけにする:1〜2か月は運用せず、点数の分布を見る
- ② 受注した顧客のスコアを調べる:受注時点で何点だったか
- ③ その最頻値の少し下に閾値を置く
- ④ 営業が対応できる件数と照らす:週に対応できるのが20件なら、週20件になる点数にする
- ⑤ 3か月ごとに見直す
④が実務では最も効きます。理論上の適正値より、営業の処理能力に合わせた件数になるよう閾値を決めてください。渡しすぎると全部が放置されます。
機能しなくなる原因
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 高得点なのに商談にならない | 行動スコアだけで判定している | 属性スコアの下限を設ける |
| 商談化したリードが低得点 | 配点が実態と合っていない | 受注顧客の行動を調べて配点を直す |
| 上位が同じ顔ぶれ | 減衰がない | 時間減衰を入れる |
| スコアが動かない | 項目が多すぎて薄まっている | 項目を5〜8個に絞る |
| 営業が見ない | 渡す件数が多すぎる | 閾値を上げる |
| 社内で基準が食い違う | 定義を合意していない | MQLの定義を営業と文書で合意する |
最後の項目が根本です。「何点以上を営業に渡すか」を営業側と合意していないと、スコアは誰にも使われません。
スコアリングを始めるべきタイミング
| リード数 | 推奨 |
|---|---|
| 月100件未満 | 不要。全件に営業が対応できる |
| 月100〜300件 | 簡易版(行動スコア3〜4項目)で開始 |
| 月300件以上 | 属性+行動の本格運用 |
リードが少ないうちはスコアリングより全件対応のほうが成果が出ます。仕組みを作ること自体が目的にならないよう注意してください。
まとめ
- スコアは属性と行動を分けて管理する
- 属性スコアにはマイナス点を入れる
- 料金ページとフォーム到達の配点を高くする
- 時間減衰を必ず入れる
- 閾値は営業が対応できる件数から逆算する
- 営業とMQLの定義を文書で合意する
- リードが月100件未満なら、まだ不要
よくある質問
スコアの項目はいくつが適切ですか?
最初は5〜8項目で始めてください。項目を増やすと個々の影響が薄まり、スコアが動かなくなります。運用しながら、受注に相関する行動が見つかった時点で追加していくほうが精度が上がります。
何点を営業に渡す基準にすればよいですか?
絶対的な正解はありません。受注した顧客が受注時点で何点だったかを調べ、その少し下に置くのが出発点です。そのうえで、営業が週に対応できる件数に収まるよう調整してください。渡す件数が処理能力を超えると、結局すべて放置されます。
MAツールがなくてもできますか?
簡易版なら可能です。フォームの入力内容から属性点を付け、資料ダウンロードやセミナー参加を手作業で加点する運用は表計算ソフトでも回せます。ただしページ閲覧や再訪といった行動の取得には計測の仕組みが必要なため、行動スコアを本格的に使うならツールが要ります。
スコアはどのくらいの頻度で見直しますか?
3か月ごとが目安です。見直しの材料は、その間に受注・失注したリードのスコア推移です。受注したのに低得点だったリードがあれば配点が実態と合っておらず、高得点なのに商談にならないリードが多ければ属性の条件が緩すぎます。

