更新日:2026年8月16日
SDRとBDRは、いずれも商談を作ることを役割とするインサイドセールスの職種で、SDRは問い合わせなど反響のあった相手に対応し、BDRは反響のない企業へ自ら仕掛けます。
SDRは Sales Development Representative、BDRは Business Development Representative の略です。
違いは「相手からの反応があるかどうか」の一点です。この違いから、KPIも必要なスキルも変わります。
SDRとBDRの違い
| SDR(反響型) | BDR(新規開拓型) | |
|---|---|---|
| 対象 | 問い合わせ・資料請求した相手 | こちらから選んだ企業 |
| 起点 | 相手の行動 | 自社の意思 |
| 主な業務 | 初回接触、状況確認、商談化 | リスト作成、初回接触、関係構築 |
| 接触手段 | 電話、メール(相手は自社を知っている) | 電話、メール、手紙、SNS |
| 狙う企業 | 規模を問わない | 大企業・重点企業が多い |
| 成果までの期間 | 数日〜数週間 | 数か月〜1年 |
| 心理的な負荷 | 低い | 高い(断られ続ける) |
BDRのほうが難易度が高く、成果が出るまで時間がかかります。SDRと同じKPIで評価すると、BDRは必ず数字が悪く見えます。
それぞれのKPI
| SDR | BDR | |
|---|---|---|
| 活動量 | 架電数、メール送信数 | アプローチ企業数、接触経路数 |
| 接触 | 担当者に繋がった数 | キーパーソンに到達した数 |
| 成果 | 商談化数、商談化率 | 商談化数、重点企業内の接点数 |
| 質 | 商談後の受注率 | 商談の平均単価 |
| 速度 | リード獲得から初回接触までの時間 | — |
SDRは速さ、BDRは到達が評価軸です。SDRで最も重要な指標は「リード獲得から初回接触までの時間」で、ここが短いほど商談化率が上がります。
SDRの進め方
- ① 獲得から◯時間以内に連絡する:当日中を基準にする
- ② 事前に行動履歴を見る:どのページを見て、どの資料を取ったか
- ③ 用件を最初に伝える:「先日ご請求いただいた資料の件で」
- ④ 売り込まず、状況を聞く:何を解決したくて調べていたのか
- ⑤ 商談化しない場合は次回の予定を決める:「3か月後に改めて」
②が SDR の中核です。相手が何を見たか分かっていると、会話の入り方がまったく変わります。行動履歴が取れる仕組みがあるかどうかで成果に差が出ます。
BDRの進め方
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① 対象企業を選ぶ | 受注実績のある業種・規模から、狙う企業を50〜200社に絞る |
| ② 企業を調べる | 事業内容、直近のニュース、採用状況、課題の仮説を立てる |
| ③ 接点を探す | 部署・役職から接触先を特定する |
| ④ 複数経路で接触する | 電話、メール、手紙、イベント |
| ⑤ 断られても記録する | 断られた理由と時期を残す |
| ⑥ 期間を置いて再接触する | 3〜6か月後、状況が変わっている可能性がある |
BDRは1社ずつ調べてから接触するのが前提です。同じ文面を大量に送る運用はBDRではなく、単なる一斉送信になります。
どちらから始めるべきか
| 状況 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 問い合わせが月20件以上ある | SDRから | 対応しきれていない反響が既にある |
| 問い合わせが少ない | BDRも検討 | 反響を待っていても母数が増えない |
| 商材の単価が低い | SDR中心 | BDRは工数に見合わない |
| 商材の単価が高い | BDRを併用 | 1社の受注で工数を回収できる |
| 狙う企業が明確 | BDR | 対象が絞れているなら効率が良い |
| 立ち上げ直後 | SDRから | まず反響への対応を仕組み化する |
ほとんどの企業はSDRから始めるのが正解です。既にある反響に対応しきれていない状態でBDRを始めても、獲得したリードがまた放置されます。
体制を作るときの注意
- SDRとBDRを兼任させない:反響対応は緊急性が高いため、必ずSDR業務が優先され、BDRの活動時間が消えます
- KPIを分ける:同じ商談化数で評価するとBDRが不利になります
- 営業への引き渡し基準を決める:何をもって商談とするか
- 差し戻しのルールを作る:時期尚早と分かったら育成に戻す
- 記録を残す仕組みを先に用意する:接触履歴が個人のメモに留まると、担当が変わった時点で消えます
フィールドセールスとの関係
| 職種 | 担当範囲 |
|---|---|
| マーケティング | リードを獲得する |
| SDR / BDR | 商談を作る |
| フィールドセールス | 商談から受注まで |
| カスタマーサクセス | 受注後の定着と継続 |
この分業は「The Model」と呼ばれる型です。分業すると各工程の専門性は上がりますが、工程間で情報が途切れやすくなります。引き継ぎの内容と方法を決めておく必要があります。
まとめ
- SDRは反響型、BDRは新規開拓型
- BDRのほうが難易度が高く、成果まで時間がかかる
- SDRの要は初回接触の速さと行動履歴の把握
- BDRは1社ずつ調べてから接触する
- ほとんどの企業はSDRから始めるべき
- 兼任させるとBDRの活動時間が消える
- KPIは必ず分ける
よくある質問
SDRとBDR、どちらを先に置くべきですか?
既にある問い合わせに対応しきれていないなら、必ずSDRが先です。反響のある相手は自社を認識しているぶん商談化率が高く、投資対効果が優れています。反響が月数件しかなく、狙う企業が明確な場合に限り、BDRから始める選択があります。
1人で両方を担当できますか?
推奨しません。反響対応は緊急性が高いため、必ずそちらが優先され、BDRの活動時間が実質ゼロになります。どうしても人員が足りない場合は、曜日や時間帯で完全に分けてください(午前はBDR、午後はSDRなど)。
BDRの成果はいつ頃出ますか?
3〜6か月が目安です。対象企業を選び、調べ、複数回接触して初めて商談が生まれるため、着手から1〜2か月で判断するのは早すぎます。この期間は商談数ではなく、キーパーソンへの到達数や接点の数を見て進捗を測ってください。
インサイドセールスとSDR・BDRの関係は?
インサイドセールスは訪問せずに内勤で営業活動を行う職種の総称で、その中の役割分担としてSDRとBDRがあります。企業によっては受注まで担当するインサイドセールス(オンラインセールス)を置く場合もあり、呼称は統一されていません。自社で何を担当する役割なのかを定義してから使ってください。