更新日:2026年8月16日
フィールドセールスとは、商談から受注までを担当する営業職で、顧客と直接またはオンラインで面談し、提案と条件交渉を行う役割です。
従来は「外勤営業」を指す言葉でしたが、分業型の営業組織が広がる中で「商談以降を担当する役割」という意味で使われることが増えています。
オンライン商談が一般化したため、訪問するかどうかは本質的な違いではなくなりました。
担当する範囲
| 工程 | 担当 | 内容 |
|---|---|---|
| リード獲得 | マーケティング | — |
| 商談化 | インサイドセールス | — |
| 初回商談 | フィールドセールス | 課題のヒアリング、サービス説明 |
| 提案 | フィールドセールス | 課題に対する解決策と見積の提示 |
| 社内調整の支援 | フィールドセールス | 稟議資料、情報システム部門への対応 |
| クロージング | フィールドセールス | 条件交渉、契約 |
| 導入支援 | カスタマーサクセス | — |
「社内調整の支援」が見落とされがちです。BtoBでは担当者が社内を説得できるかどうかで受注が決まるため、ここを助けられるかが差になります。
インサイドセールスとの分担
| インサイドセールス | フィールドセールス | |
|---|---|---|
| 目的 | 商談を作る | 受注する |
| 接触の深さ | 浅く広く | 深く狭く |
| 1件あたりの時間 | 10〜30分 | 1〜数時間 × 複数回 |
| 扱う件数 | 多い | 少ない |
| 主なKPI | 商談化数、商談化率 | 受注数、受注率、単価 |
| 必要なスキル | 短時間で状況を掴む | 課題を構造化し、提案に落とす |
分担の境界は「商談の定義」で決まります。何をもって商談とするかを両者で合意していないと、引き渡しのたびに揉めます。
初回商談の進め方
- ① 事前に調べる:企業情報、閲覧履歴、インサイドセールスからの引き継ぎ内容
- ② 今日のゴールを最初に共有する:「本日は状況をお伺いして、合いそうかを一緒に確認させてください」
- ③ 聞くことを先にする:現状、困りごと、影響、理想、優先度
- ④ 説明は聞いた課題に絞る:全機能を説明しない
- ⑤ 社内の進め方を確認する:誰の承認が必要か、いつまでに決めたいか
- ⑥ 次回の予定をその場で決める
④が受注率に直結します。すべての機能を説明すると、相手は自分に関係のある部分を見失います。
受注率を上げる打ち手
| 課題 | 打ち手 |
|---|---|
| 商談後に音信不通になる | その場で次回日程を決める |
| 稟議で落ちる | 効果の試算表と、稟議用の1枚資料を渡す |
| 競合に負ける | 比較表を先に出し、選定基準の議論に持ち込む |
| 価格で断られる | 導入しない場合のコストと比較する |
| 決裁者に会えない | 担当者が説明しやすい資料を用意する |
| 検討が止まる | 期限のある理由を作る(体制、時期、キャンペーン) |
「決裁者に会わせてください」と頼むより、担当者が説明できる材料を渡すほうが通ることが多いです。相手にも社内の事情があります。
評価指標
| 指標 | 計算 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 受注率 | 受注数 ÷ 商談数 | 担当者間のばらつき |
| 平均単価 | 受注額 ÷ 受注数 | 値引きに頼っていないか |
| 商談期間 | 受注日 − 初回商談日 | 長期化していないか |
| 商談あたりの接触回数 | — | 多すぎると工数が合わない |
| 失注理由の分布 | — | 特定の理由に偏っていないか |
| 受注後の継続率 | — | 無理な期待値で売っていないか |
最後の項目は重要です。受注数だけで評価すると、続かない顧客を取ってくる行動が生まれます。
引き継ぎで残すべき情報
| 引き継ぎ先 | 残すこと |
|---|---|
| カスタマーサクセス | 受注時に約束したこと、期待している成果、社内体制、キーパーソン |
| 前工程(差し戻し時) | 時期尚早と判断した理由、次に接触すべき時期 |
| 自社の記録 | 失注理由、競合、決め手になった要素 |
受注時に約束したことがカスタマーサクセスに伝わっていないと、初期の期待値がずれて解約につながります。
まとめ
- フィールドセールスは商談から受注までを担当する
- 訪問の有無は本質的な違いではなくなった
- 見落とされやすいのは社内調整の支援
- 初回商談では聞いた課題に絞って説明する
- 決裁者に会えないときは、担当者が説明できる材料を渡す
- 受注数だけでなく受注後の継続率まで見る
よくある質問
フィールドセールスは訪問が前提ですか?
現在は前提ではありません。オンライン商談が一般化し、訪問するかどうかより「商談から受注までを担当する役割かどうか」で区別されるようになっています。移動時間がなくなるぶん商談数を増やせる一方、関係構築が難しくなる面もあり、案件の重要度で使い分ける運用が一般的です。
インサイドセールスとの引き継ぎで何を受け取るべきですか?
最低限、①相手が解決したい課題、②検討している時期、③社内の決定手順、④これまでの接触内容の4点です。これが揃っていれば初回商談で同じ質問を繰り返さずに済みます。逆に、この4点が揃っていない案件を商談として受け取ると、初回が状況確認だけで終わります。
商談が止まってしまった場合はどうしますか?
まず止まっている理由を特定してください。予算が付かない、決裁者が動かない、優先度が下がった、では打つ手が違います。理由が分からない場合は「社内でどのあたりで止まっていますか」と直接聞くのが最も早く、遠回しな追客メールを続けるより有効です。
受注率の目安はどのくらいですか?
商材と商談の定義によって大きく変わるため、業界平均を目標にする意味は薄いです。自社の過去実績と、担当者間のばらつきを見るほうが有用です。同じリードを扱っているのに担当者間で受注率が2倍違うなら、そこに改善の余地があります。
