更新日:2026年8月16日
コアウェブバイタルとは、Google が定めた、ページの使い心地を測る3つの指標(LCP・INP・CLS)のことです。
読み込みの速さ、操作への反応、表示のずれというユーザーが体感する部分を数値化したものです。
検索順位の要素の一つとされますが、内容の質を上回るものではありません。極端に悪い場合に足を引っ張る、という性質のものです。
3つの指標
| 指標 | 正式名称 | 測るもの | 良好とされる値 |
|---|---|---|---|
| LCP | Largest Contentful Paint | 主要なコンテンツが表示されるまでの時間 | 2.5秒以内 |
| INP | Interaction to Next Paint | 操作してから画面が反応するまでの時間 | 200ミリ秒以内 |
| CLS | Cumulative Layout Shift | 表示中のレイアウトのずれ | 0.1以下 |
INP は2024年に FID(First Input Delay)から置き換わった指標です。古い記事では FID が紹介されていることがあります。
LCP(表示の速さ)
| 悪化の原因 | 対処 |
|---|---|
| 画像が重い | 適切なサイズに縮小、WebP等の形式を使う |
| 画像の遅延読み込みの誤用 | ファーストビューの画像には lazy を付けない |
| サーバーの応答が遅い | キャッシュ、配信の見直し |
| CSSやJSの読み込みが表示を止めている | 不要なものを遅延させる |
| Webフォントの読み込み | 表示方法の指定、必要な文字だけに絞る |
| 外部スクリプトが多い | 数を減らす、非同期にする |
BtoBサイトで最も多い原因は画像です。実寸の何倍もある画像をそのまま置いているケースが多く、縮小するだけで大きく改善します。
INP(反応の速さ)
| 悪化の原因 | 対処 |
|---|---|
| JavaScriptの処理が重い | 処理を分割する、不要な処理を削る |
| サードパーティのタグが多い | タグの棚卸し |
| イベント処理が重い | 処理を軽くする、間引く |
| 大量の要素を一度に描画 | 表示を分割する |
タグの棚卸しは効果が大きい割に見落とされます。過去に入れたまま使っていない計測タグや広告タグが残っていることがよくあります。
CLS(表示のずれ)
| 悪化の原因 | 対処 |
|---|---|
| 画像に幅・高さの指定がない | width と height を指定する |
| 広告枠の高さが確保されていない | 枠のサイズを先に確保する |
| Webフォント読み込みで文字がずれる | 代替フォントのサイズを調整する |
| 後から挿入される要素 | 領域を先に確保する |
| ヘッダーの高さが後から変わる | 固定する |
画像の width / height 指定が最も効く対処です。指定があれば、読み込み前から場所が確保されるためずれません。
計測方法
| 方法 | データの種類 | 用途 |
|---|---|---|
| PageSpeed Insights | 実測+シミュレーション | 個別ページの診断 |
| Search Console のウェブに関する主な指標 | 実際のユーザーの実測 | サイト全体の状況把握 |
| Chrome の開発者ツール(Lighthouse) | シミュレーション | 開発中の確認 |
| CrUX(Chrome UX Report) | 実測 | 実環境での傾向 |
実測値(フィールドデータ)とシミュレーション(ラボデータ)は別物です。改善の判断は実測値で行ってください。シミュレーションで良くても、実際の利用環境では遅いことがあります。
改善の優先順位
- ① 実測値で悪い指標を特定する:Search Console で確認
- ② 該当ページ群を特定する:全ページか、特定のテンプレートか
- ③ 画像から着手する:効果が大きく、リスクが低い
- ④ タグを棚卸しする:使っていない計測タグを外す
- ⑤ 画像に width / height を指定する:CLS対策
- ⑥ それでも改善しなければ技術的な調査へ
③④⑤は制作の知識がなくても効果が出せる範囲です。ここまでやって基準を満たさない場合に、初めて実装レベルの調査に進んでください。
どこまで優先すべきか
| 状況 | 優先度 |
|---|---|
| LCPが5秒を超えている | 高い。離脱に直結する |
| CLSが大きくボタンが押しにくい | 高い。CVに影響する |
| 3指標とも基準の少し外 | 中。内容の改善を優先 |
| 3指標とも基準内 | 低い。他の施策へ |
基準ぎりぎりを詰めるより、記事の内容を改善するほうが順位への影響は大きくなります。コアウェブバイタルは「極端に悪い状態を避ける」ためのものと捉えてください。
まとめ
- コアウェブバイタルはLCP・INP・CLSの3指標
- 基準はLCP 2.5秒 / INP 200ms / CLS 0.1
- INPは FID から置き換わった指標
- LCPの主因は画像。縮小するだけで改善することが多い
- CLSは画像の width / height 指定が最も効く
- 判断は実測値で行う(シミュレーションではない)
- 内容の質を上回る要素ではない。極端に悪い場合に優先する
よくある質問
コアウェブバイタルは検索順位にどのくらい影響しますか?
順位を決める要素の一つとされていますが、コンテンツの内容や検索意図への一致に比べると影響は小さいとされています。同程度の質のページが並んだときに差が出る、という位置づけです。ただしLCPが5秒を超えるような極端な遅さは、順位以前にユーザーが離脱します。
FIDとINPの違いは何ですか?
FID(First Input Delay)は最初の操作に対する反応の遅れだけを測っていましたが、INP(Interaction to Next Paint)はページ滞在中のすべての操作を対象にします。2024年3月にFIDが廃止されINPに置き換わったため、現在はINPを見てください。
PageSpeed Insightsのスコアが低いと問題ですか?
スコアそのものより、実測値(フィールドデータ)で3指標が基準を満たしているかを見てください。PageSpeed Insightsのスコアはシミュレーション条件で算出されるため、実際のユーザーの体感と乖離することがあります。実測データはSearch Consoleの「ウェブに関する主な指標」で確認できます。
何から改善すればよいですか?
画像からです。実寸より大きな画像をそのまま配置しているケースが多く、適切なサイズに縮小するだけでLCPが大きく改善します。あわせて画像にwidthとheightを指定すればCLSも同時に改善します。この2つは実装の知識がなくても対応でき、リスクもありません。