更新日:2026年8月16日
展示会とは、特定の業界の企業が集まって製品やサービスを展示する催しで、BtoBでは短期間に多数の見込み客と接触できる場として使われます。
費用が大きい施策です。出展料に加えてブース制作、人件費、資料、移動費がかかります。
それにもかかわらず名刺を集めて終わりになっているケースが多く、成果を分けるのは当日ではなく後のフォローです。
費用の内訳
| 項目 | 目安の割合 |
|---|---|
| 出展料(小間代) | 30〜40% |
| ブース設営・装飾 | 25〜35% |
| 人件費(準備+当日) | 15〜25% |
| 配布資料・ノベルティ | 5〜10% |
| 移動・宿泊 | 5〜10% |
人件費を計上していない計算は実態を見誤ります。準備に数週間、当日は複数名が拘束されるため、実質の費用は出展料の2〜3倍になります。
出展前に決めること
- 目的を1つに絞る:名刺獲得か、既存顧客との接点か、認知か
- 目標を数値で決める:名刺◯枚、うち有効◯枚、商談◯件
- ブースの一言を決める:3秒で何の会社か分かる言葉
- 声かけの型を決める:全員が同じ入り方をできるように
- 名刺の分類方法を決める:当日その場で分ける
- フォローの担当と期限を決める:終了後◯営業日以内
最後の項目を出展前に決めてください。終わってから考えると、名刺が箱に入ったまま数週間が過ぎます。
ブースで見られるのは3秒
| 要素 | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| メインの一言 | 「Total Solution Partner」 | 「サイトに来ている企業名が分かります」 |
| 対象の明示 | (なし) | 「BtoBサイトを運営している方へ」 |
| 文字の大きさ | 遠くから読めない | 通路から読める大きさ |
| 見せるもの | 会社紹介パネル | 実際の画面、動くデモ |
| スタッフの立ち位置 | ブース奥に座っている | 通路側に立つ |
抽象的な英語のキャッチコピーは通路で読み飛ばされます。何ができるかを日本語で具体的に書いてください。
当日の声かけ
| 場面 | 避けたい | 推奨 |
|---|---|---|
| 最初の一言 | 「何かお探しですか」 | 「◯◯でお困りではないですか」(課題を出す) |
| 名刺交換 | いきなり要求する | 説明の後に自然に |
| 説明の長さ | 5分以上話す | 1〜2分。相手が聞きたいことに絞る |
| 興味がなさそうな相手 | 粘る | 資料だけ渡して短く終える |
| 決裁者らしき相手 | 同じ対応 | 詳しい担当に引き継ぐ |
全員に同じ時間をかけないでください。展示会は時間が限られています。関心の高い相手に時間を使うほうが成果が出ます。
名刺の分類はその場で
| 区分 | 基準 | フォローの優先度 |
|---|---|---|
| A:具体的な課題があり、時期も近い | 「いつまでに」と言った | 最優先(3営業日以内) |
| B:課題はあるが時期は未定 | 関心を示した | 高(1週間以内) |
| C:情報収集 | 説明を聞いただけ | 中(メール配信) |
| D:対象外 | 同業、学生、無関係 | 対象外 |
その場で名刺にA〜Dを書いてください。後日まとめて分類しようとすると、誰がどんな話をしたか思い出せません。
フォローの手順
| 時期 | やること | 対象 |
|---|---|---|
| 当日〜翌営業日 | お礼メール(全員) | A〜C |
| 3営業日以内 | 電話またはメールで個別に連絡 | A |
| 1週間以内 | 個別に連絡 | B |
| 1週間以内 | メール配信に登録し、関連資料を送る | C |
| 1か月後 | 反応がない相手に再接触 | A・B |
| 3か月後 | 状況確認 | A・B |
お礼メールは当日中か翌営業日に送ってください。展示会から日が経つほど、相手はどの会社だったか思い出せなくなります。
成果の測り方
| 指標 | 計算 |
|---|---|
| 名刺獲得数 | — |
| 有効名刺率 | (A+B)÷ 全名刺 |
| 商談化数 | 商談に至った数 |
| 商談化率 | 商談数 ÷ 有効名刺 |
| 名刺1枚あたりの費用 | 総費用 ÷ 名刺枚数 |
| 商談1件あたりの費用 | 総費用 ÷ 商談数 |
| 受注 | 受注数と金額 |
名刺枚数だけで評価しないでください。対象外の名刺を大量に集めても意味がありません。有効名刺率と商談化率まで見ると、翌年の出展判断ができます。
まとめ
- 実質の費用は出展料の2〜3倍(人件費を含む)
- 成果を分けるのは当日ではなく後のフォロー
- フォローの担当と期限を出展前に決める
- ブースの一言は日本語で具体的に
- 名刺はその場でA〜Dに分類する
- お礼メールは当日中か翌営業日
- 評価は名刺枚数ではなく有効名刺率と商談化率
よくある質問
展示会の費用対効果はどう判断しますか?
商談1件あたりの費用で見てください。総費用(人件費を含む)を商談数で割った値を、他の施策(広告、SEO、テレアポ)の商談単価と比較します。名刺1枚あたりの費用だけで見ると、質を無視した評価になります。
名刺は何枚集めるべきですか?
枚数の目標より有効名刺(A・B区分)の枚数を目標にしてください。対象外の企業や情報収集だけの相手を大量に集めても商談にはつながらず、フォローの工数だけがかかります。ブースの表示で対象を明示すると、自然に有効な相手が集まります。
フォローはいつまでにすべきですか?
お礼メールは当日中か翌営業日、優先度の高い相手への個別連絡は3営業日以内です。展示会では相手も多数のブースを回っているため、日が経つほどどの会社だったか思い出せなくなります。速さがそのまま商談化率に影響します。
小規模なブースでも成果は出ますか?
出ます。ブースの大きさより「何ができる会社か」が通路から3秒で分かるかのほうが影響します。小規模な区画でも、対象と提供価値を大きく明示し、実際に動く画面を見せれば足を止めてもらえます。逆に、大きなブースでも抽象的なキャッチコピーだけでは素通りされます。