更新日:2026年8月16日
GA4(Google アナリティクス 4)とは、Google が提供する無料のアクセス解析ツールの現行版で、サイトやアプリでの利用状況を計測・分析するものです。
前のバージョンであるユニバーサルアナリティクス(UA)は2023年7月に計測を終了しており、現在はGA4が標準です。
計測の考え方そのものが変わっているため、UAと同じ画面や指標を探すと見つかりません。ここが最初のつまずきどころです。
UAとの主な違い
| ユニバーサルアナリティクス | GA4 | |
|---|---|---|
| 計測の単位 | セッション中心 | イベント中心 |
| ページ以外の行動 | 設定が必要 | 標準で一部を自動計測 |
| 直帰率 | 標準指標 | エンゲージメント率の裏返しとして再定義 |
| サイトとアプリ | 別プロパティ | 同一プロパティで扱える |
| レポートの自由度 | 定型レポート中心 | 探索レポートで自分で組む |
| データの書き出し | 有料版のみ | BigQuery への連携が無料版でも可能 |
「セッション」から「イベント」への変更が本質です。ページ表示もクリックもスクロールも、すべて同じ「イベント」として記録されます。
イベントベースとは
GA4では、ユーザーの行動をすべてイベントとして記録します。
| イベント | いつ発生するか | 分類 |
|---|---|---|
| page_view | ページが表示された | 自動 |
| session_start | セッションが始まった | 自動 |
| scroll | ページの下部まで到達した | 拡張計測(既定で有効) |
| click | 外部リンクがクリックされた | 拡張計測 |
| file_download | ファイルがダウンロードされた | 拡張計測 |
| form_submit | フォームが送信された | 拡張計測(対応する形式のみ) |
| (任意の名前) | 自分で定義した行動 | カスタム |
拡張計測は既定で有効になっていることが多いものの、サイトの実装によっては正しく取れません。フォーム送信は特に取りこぼしやすいため、実際に送信して確認してください。
BtoBサイトで最初に見る指標
| 指標 | 意味 | 見るポイント |
|---|---|---|
| ユーザー数 | 訪問した人の数 | 全体の規模 |
| セッション数 | 訪問回数 | 再訪が起きているか |
| エンゲージメント率 | 一定の関与があったセッションの割合 | 内容が読まれているか |
| 表示回数(ページ) | ページごとの閲覧数 | どの記事が読まれているか |
| キーイベント | 設定した重要な行動の発生数 | 成果 |
| 参照元/メディア | どこから来たか | 流入経路の構成 |
| ランディングページ | 最初に見たページ | 入口になっている記事 |
BtoBでは「ランディングページ × キーイベント」の組み合わせが最も実務的です。どの記事が入口になり、成果につながっているかが分かります。
エンゲージメント率と直帰率
| 定義 | |
|---|---|
| エンゲージされたセッション | 10秒以上の滞在、キーイベントの発生、2ページ以上の閲覧のいずれかを満たすセッション |
| エンゲージメント率 | エンゲージされたセッション ÷ 全セッション |
| 直帰率(GA4) | 1 − エンゲージメント率 |
UAの直帰率とは定義が違います。UAでは「1ページだけ見て離脱」でしたが、GA4では滞在時間や成果の発生も考慮されます。UA時代の数値とそのまま比較しないでください。
初期設定で確認すること
- 計測タグが全ページに入っているか:入っていないページは記録されない
- キーイベントを設定したか:問い合わせ完了、資料ダウンロードなど
- 自社からのアクセスを除外したか:社内IPの除外
- データ保持期間を確認したか:既定が短く設定されている場合がある
- Search Console と連携したか:検索語と行動を突き合わせられる
- 参照元の除外設定を確認したか:決済サービスなど、経由すると別流入として計上される先
「自社からのアクセスの除外」を忘れると、数値が実態より大きく出ます。小規模サイトほど影響が大きくなります。
キーイベント(旧コンバージョン)の設計
| BtoBでのキーイベントの例 | 重要度 |
|---|---|
| 問い合わせフォームの送信完了 | 高 |
| 資料ダウンロード | 高 |
| ウェビナー申込 | 高 |
| 料金ページの閲覧 | 中(マイクロCVとして) |
| 事例を3本以上閲覧 | 中 |
| メールアドレスのクリック | 中 |
成果が月に数件しかない場合、最終CVだけでは判断できません。料金ページ閲覧などの中間指標も設定しておくと、改善の効果が早く見えます。
よくあるつまずき
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 数値がUA時代と合わない | 計測方法が違う | 比較しない。GA4内での推移で見る |
| フォーム送信が計測されない | 実装が拡張計測の対象外 | カスタムイベントで設定する |
| 流入元が「direct」ばかり | パラメータがない、リダイレクトで欠落 | UTMパラメータを付ける |
| 見たいレポートがない | 定型レポートに含まれない | 探索レポートで自分で組む |
| データが少ない期間しか見られない | データ保持期間の設定 | 設定を確認する |
| 社内のアクセスが混ざる | 除外設定なし | IP除外を設定する |
「direct が多い」は多くの場合、計測の問題です。本当に直接訪問しているのではなく、参照元が引き継がれていない可能性を疑ってください。
まとめ
- GA4は現行のGoogleアナリティクス。UAは2023年7月に計測終了
- 計測の単位がセッションからイベントに変わった
- 直帰率はエンゲージメント率の裏返しとして再定義された。UAと比較しない
- BtoBはランディングページ × キーイベントが最も実務的
- 初期設定で社内IPの除外を必ず行う
- 成果が少ない場合は中間指標もキーイベントにする
- 「direct が多い」は計測の問題を疑う
よくある質問
GA4とユニバーサルアナリティクスの数値が合わないのはなぜですか?
計測の考え方そのものが違うためです。セッションの区切り方、直帰率の定義、ユーザーの識別方法がいずれも変更されています。数値を直接比較しても意味がないため、GA4を導入した時点を起点にして、GA4内での推移を見てください。
フォーム送信が計測されません。
拡張計測の form_submit は、特定の形式のフォームにしか対応していません。JavaScriptで送信している場合や、送信後にページ遷移しない場合は計測されません。対処としては、送信完了ページの表示をキーイベントにするか、Googleタグマネージャーでカスタムイベントを設定してください。実際に自分でフォームを送信し、リアルタイムレポートで記録されるか確認するのが確実です。
BtoBサイトでは何を見ればよいですか?
ランディングページ別のキーイベント数が最も実務に直結します。どの記事が入口になり、成果につながっているかが分かるためです。あわせて、参照元/メディア別の推移を見て、どの流入経路が効いているかを把握してください。全体のユーザー数だけを見ても、次の打ち手が決まりません。
データ保持期間はどうすればよいですか?
GA4の探索レポートで使えるデータには保持期間の設定があり、既定では短く設定されている場合があります。管理画面のデータ設定から確認し、必要に応じて延長してください。なお、標準レポートの集計値は保持期間の影響を受けにくい一方、探索レポートでの詳細な分析には影響します。