更新日:2026年8月16日
DMPは主に広告配信のために外部データを含めて扱う基盤、CDPは自社が保有する顧客データを個人単位で統合して活用する基盤です。
どちらも「データを集める基盤」ですが、扱うデータの出所と、使う目的が違います。
近年はCookie規制の影響で外部データの活用が難しくなり、自社データを扱うCDPへの比重が移っています。
2つの違い
| DMP | CDP | |
|---|---|---|
| 正式名称 | Data Management Platform | Customer Data Platform |
| 主なデータ | 外部から購入・提供されるデータを含む | 自社が取得したデータ |
| 識別の単位 | 匿名の識別子が中心 | 個人(メールアドレス、顧客ID) |
| 主な目的 | 広告配信のターゲティング | 顧客理解、施策の出し分け |
| データの保持 | 短期 | 長期 |
| 主な接続先 | 広告プラットフォーム | MA、CRM、BI、メール配信 |
| Cookie規制の影響 | 大きい | 小さい |
「匿名のまま広告に使う」のがDMP、「個人を特定して施策に使う」のがCDPと捉えると整理しやすくなります。
DMPの2種類
| 種類 | 扱うデータ | 用途 |
|---|---|---|
| オープンDMP(パブリック) | 外部事業者が収集した第三者データ | 見込み客の拡張、新規への広告配信 |
| プライベートDMP | 自社が取得したデータが中心 | 既存顧客への配信、類似ユーザーの拡張 |
プライベートDMPはCDPと役割が重なります。製品の呼称は事業者によって異なるため、名称ではなく「何ができるか」で判断してください。
CDPが扱うデータ
| 分類 | 例 | 取得元 |
|---|---|---|
| 属性 | 会社名、業種、規模、役職 | フォーム、名刺、企業データベース |
| 行動 | 閲覧ページ、資料DL、メール開封 | サイト計測、MA |
| 取引 | 契約内容、金額、契約日 | 基幹システム、CRM |
| 対応履歴 | 商談記録、問い合わせ、サポート | SFA、問い合わせ管理 |
| 利用状況 | ログイン頻度、使用機能 | 製品側のログ |
CDPの価値は「分断されたデータを1人に紐づけること」にあります。マーケ・営業・サポートが別々に持っている情報を、同じ顧客の情報として扱えるようにします。
何が解決するのか
| 課題 | CDPでの解決 |
|---|---|
| 同じ顧客が複数システムに別々に存在 | ID統合で1人にまとめる |
| 営業が過去の閲覧履歴を知らない | 商談前に行動履歴を参照できる |
| 既存顧客に新規向けの案内が届く | 契約状態で除外できる |
| 解約の予兆が見えない | 利用状況と対応履歴を突き合わせられる |
| 流入経路別の受注率が分からない | 獲得から受注まで一本でつながる |
最後の項目が投資判断に直結します。広告経由のリードが実際に受注しているかは、データがつながっていないと分かりません。
BtoBで必要かの判断
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 顧客数が数百社、システムが2つ以内 | 不要。MA/CRMの連携で足りる |
| 複数の事業・製品を持つ | 検討の価値あり |
| システムが5つ以上に分散 | 検討の価値あり |
| オンラインとオフラインの接点が両方ある | 検討の価値あり |
| データを扱う担当者がいない | 先に体制を作る |
多くの中小企業ではCDPは不要です。MAとCRMを連携させ、顧客情報の正を1つに決めるだけで、目的の大部分は達成できます。
導入前に決めること
- 統合のキーを決める:メールアドレスか、顧客IDか、法人番号か
- 正とするシステムを決める:どこの情報を最新とするか
- 何に使うかを決める:配信の出し分け、レポート、営業への通知
- 個人情報の扱いを整理する:取得目的、保管、第三者提供
- 担当者を決める:設計と運用の責任者
統合キーの設計が最も重要です。BtoBでは「同じ会社の別の担当者」を会社単位でまとめる必要があり、個人単位の統合だけでは足りません。
段階的な進め方
| 段階 | やること | ツール |
|---|---|---|
| 1 | フォームとサイト計測をつなぐ | MA |
| 2 | 商談・受注情報を同じ場所で見る | SFA / CRM |
| 3 | MAとCRMを連携する | 各ツールの連携機能 |
| 4 | 利用状況・請求データを足す | データ連携 |
| 5 | 全社のデータを統合する | CDP |
1〜3で止まる企業がほとんどで、それで問題ありません。5まで進む必要があるのは、扱うデータとシステムが多い場合に限られます。
まとめ
- DMPは広告配信のための基盤、CDPは自社顧客データの統合基盤
- DMPは外部データを含み匿名の識別子が中心、CDPは個人を特定する
- Cookie規制の影響でCDPへの比重が移っている
- CDPの価値は分断されたデータを1人に紐づけること
- 多くの中小企業ではCDPは不要。MAとCRMの連携で足りる
- BtoBは会社単位でもまとめられる統合キーの設計が要る
- 段階的に進め、必要になってから検討する
よくある質問
DMPとCDP、どちらを導入すべきですか?
目的で決めてください。広告配信のターゲティングが主目的ならDMP、顧客理解と施策の出し分けが主目的ならCDPです。ただしCookie規制により外部データを使った広告配信の精度は下がっており、現在は自社データを活用するCDP側の重要性が高まっています。
BtoBの中小企業にCDPは必要ですか?
多くの場合は不要です。顧客数が数百社規模で、使っているシステムがMAとCRMの2つ程度であれば、その2つを連携させ、顧客情報の正をどちらか一方に決めるだけで目的の大部分は達成できます。CDPが必要になるのは、事業や製品が複数あり、システムが5つ以上に分散している場合です。
CDPとMAの違いは何ですか?
CDPはデータを集めて統合することが役割で、MAはそのデータを使って施策を実行することが役割です。CDPは配信機能を持たないことが多く、統合したデータをMAやCRMに渡して使います。ただし製品によって機能範囲が重なるため、名称ではなく実際にできることで判断してください。
データ統合のキーは何にすべきですか?
BtoBでは個人はメールアドレス、企業は法人番号またはドメインを軸にするのが実務的です。BtoBでは「同じ会社の別の担当者」を会社単位でまとめる必要があるため、個人単位の統合だけでは不十分です。会社単位と担当者単位の両方で見られる構造にしておいてください。