更新日:2026年8月16日
建設・不動産業のBtoBマーケティングとは、工事・設計・施工・管理・仲介などを提供する企業が、発注元となる法人を開拓し、継続的な取引につなげる活動のことです。
この業界の特徴は案件単位で取引が発生することです。継続契約ではなく、案件ごとに発注先が選ばれます。
そのため「案件が発生するタイミング」を先に捉えられるかが成果を左右します。
商流の特性
| 特性 | 影響 |
|---|---|
| 案件単位の取引 | 継続契約ではなく、都度の選定 |
| 元請・下請の階層 | 直接の発注元が誰かで営業先が変わる |
| 地域性が強い | 商圏外の案件は受けにくい |
| 実績と資格が問われる | 許認可、施工実績、有資格者の人数 |
| 検討期間が長い | 計画から着工まで数か月〜数年 |
| 相見積もりが前提 | 複数社比較が標準 |
| 紹介・既存関係が強い | 新規参入が難しい |
「案件が動く前に接点がある」ことが最も効きます。相見積もりの段階で初めて名前を知る会社は、価格でしか勝負できません。
案件発生の兆候
| 兆候 | どこで分かるか | 時期 |
|---|---|---|
| 土地の取得・登記 | 登記情報 | 着工の数か月〜数年前 |
| 建築確認申請 | 公開情報 | 着工前 |
| 開発許可・都市計画 | 自治体の公開情報 | 早い |
| 新拠点の開設発表 | プレスリリース | — |
| 決算での設備投資計画 | 決算資料 | 年度初め |
| 補助金の採択 | 公開情報 | — |
| 既存施設の老朽化 | 築年数 | — |
| 自社サイトへの来訪 | アクセス解析 | 検討開始時 |
最後の「自社サイトへの来訪」は見落とされがちです。発注検討を始めた企業は、候補を探す段階で施工会社のサイトを見ています。
営業先の整理
| 発注元 | 特徴 | アプローチ |
|---|---|---|
| エンドユーザー(事業会社) | 直接受注できる。単価が高い | Web、紹介 |
| ゼネコン・元請 | 案件量が安定 | 継続的な関係構築 |
| 設計事務所 | 仕様決定に影響力がある | 技術提案 |
| 不動産会社・デベロッパー | 案件が継続的に出る | — |
| 管理会社 | 修繕・改修が定期的に発生 | — |
| 同業(協力会社) | 繁忙期の受け皿 | — |
設計事務所への接触は見落とされがちです。発注はしませんが、仕様を決める段階で製品や工法が指定されることがあります。
Webで狙うキーワード
| 種類 | 例 | 検討度 |
|---|---|---|
| 工事内容 × 地域 | 「外壁改修 ◯◯市」 | 高い |
| 対象 × 工事 | 「工場 空調 更新」 | 高い |
| 課題 | 「◯◯ 雨漏り 原因」 | 中 |
| 費用 | 「◯◯工事 費用 相場」 | 高い |
| 資格・工法 | 「◯◯工法 施工会社」 | 高い |
| 一般語 | 「建設会社」 | 低い |
地域を含む語が効きます。「外壁改修」だけでは全国が対象になりますが、「外壁改修 ◯◯市」なら商圏内の検討者に届きます。
サイトに載せるべき情報
| 情報 | なぜ必要か | 優先度 |
|---|---|---|
| 対応できる工事の種類 | 検索と照合される | 高 |
| 施工実績(写真・規模・工期) | 判断材料 | 高 |
| 対応エリア | 商圏の明示 | 高 |
| 許認可・資格・有資格者数 | 審査で問われる | 高 |
| 費用の目安 | 概算を出せる | 高 |
| 工事の流れと期間 | スケジュールが立つ | 中 |
| アフター対応・保証 | — | 中 |
| 会社概要・沿革・財務 | 与信で確認される | 高 |
施工実績は「写真+規模+工期+工事内容」の4点セットで載せてください。写真だけでは判断材料になりません。
問い合わせを増やす工夫
- 写真を添付できるフォームにする:現状の状態を送ってもらう
- 「現地調査・見積無料」を明記する:問い合わせのハードルを下げる
- 費用の目安を出す:概算がないと社内で検討できない
- 対応エリアを明記する:範囲外の問い合わせを減らす
- 電話番号を大きく出す:急ぎの相談が多い
- 施工実績を工事種別・規模別に整理する:自社と近い事例を探せる
既存関係の活かし方
| 対象 | 狙い |
|---|---|
| 過去に施工した建物 | 改修・修繕の時期が来る |
| 取引のある元請 | 別案件への参加 |
| 設計事務所 | 仕様への指定 |
| 管理会社 | 定期的な修繕案件 |
| 失注した先 | 次の案件で再提案 |
過去に施工した建物の改修時期は、最も確度の高い案件情報です。施工年月から逆算して、修繕周期の前に接触してください。
まとめ
- 案件単位の取引のためタイミングを先に捉えることが重要
- 相見積もりの段階で初めて名前を知る会社は価格でしか勝負できない
- 兆候は土地取得、建築確認、新拠点発表、自社サイトへの来訪
- 設計事務所への接触は見落とされがち
- キーワードは工事内容 × 地域
- 施工実績は写真+規模+工期+内容の4点セット
- 過去に施工した建物の改修時期が最も確度の高い案件情報
よくある質問
建設業でもWebからの新規開拓は可能ですか?
可能です。特に「工事内容 × 地域」で検索する発注者には届きます。既存の取引先だけでは対応できない工事や、初めて発注する種類の工事では、検索で候補を探されます。ただし紹介や既存関係が強い業界なので、Webは補完的な位置づけになります。
案件が動くタイミングをどう捉えますか?
登記情報、建築確認申請、開発許可などの公開情報が早い段階の兆候になります。加えて、自社サイトへの来訪も有力な手がかりです。発注を検討し始めた企業は、候補を探す段階で施工会社のサイトを見ています。最も確度が高いのは、過去に自社が施工した建物の修繕周期から逆算する方法です。
サイトに載せるべき情報は何ですか?
対応できる工事の種類、施工実績、対応エリア、許認可・資格、費用の目安の5つが優先です。特に施工実績は「写真+規模+工期+工事内容」の4点をセットで載せてください。写真だけでは、発注者が自社の案件と比較できません。
費用の目安は出すべきですか?
出したほうが問い合わせが増えます。発注者は社内で予算を確保する必要があり、概算が分からないと検討を始められません。工事内容によって金額が大きく変動する場合は、「◯㎡あたり◯万円〜、状態により変動」という形でも構いません。金額が一切分からないサイトは、検討の初期段階で候補から外れます。