更新日:2026年8月16日
士業・コンサルのBtoBマーケティングとは、専門知識を提供する事業者が、依頼元となる企業に自らの専門性と適性を伝え、相談・契約につなげる活動のことです。
この領域の特徴は「サービスの中身が事前に見えない」ことです。依頼するまで質が分かりません。
そのため依頼側は「この人に頼んで大丈夫か」を、専門性・実績・人柄から推し量ろうとします。
選ばれる基準
| 基準 | 依頼側が確認すること | 示し方 |
|---|---|---|
| 専門領域 | 自社の課題に詳しいか | 扱う分野の明示 |
| 業種の経験 | 同じ業界を見ているか | 業種別の実績 |
| 規模の経験 | 同じ規模を見ているか | 顧問先の規模帯 |
| 料金 | いくらかかるか | 料金表または目安 |
| 対応の速さ | 連絡が取れるか | 対応時間、返答の目安 |
| 人柄・相性 | 話しやすいか | 顔写真、経歴、文章 |
| 体制 | 1人か、複数人か | 担当体制 |
「何でも対応します」は最も選ばれにくい表現です。依頼側は自社の課題に詳しい人を探しています。
専門領域の絞り方
| 絞り方 | 例 |
|---|---|
| 業種で絞る | 建設業専門、医療機関専門、飲食業専門 |
| 規模で絞る | 創業期、従業員50名前後、事業承継期 |
| 課題で絞る | 資金調達、労務トラブル、補助金、事業承継 |
| 地域で絞る | 特定の商圏 |
| 手続きで絞る | 許認可、知的財産、国際取引 |
絞ると依頼が減ると思われがちですが、逆です。「建設業専門」と書いてあるほうが、建設業の経営者からは選ばれます。
Webで狙うキーワード
| 種類 | 例 | 検討度 |
|---|---|---|
| 課題 × 業種 | 「建設業 労務 相談」 | 高い |
| 手続き | 「◯◯申請 必要書類」 | 中 |
| 費用 | 「顧問税理士 費用 相場」 | 高い |
| トラブル | 「従業員 解雇 手順」 | 高い |
| 地域 × 士業 | 「税理士 ◯◯市」 | 高い |
| 一般語 | 「税理士とは」 | 低い |
「手続き」や「トラブル」の記事が入口になります。調べている時点で、既に課題が発生しています。
記事で気をつけること
- 断定を避ける:法令の適用は個別事情で変わる
- 時点を明記する:制度は改正される
- 根拠を示す:条文、公的機関の資料
- 一般論と個別相談を分ける:「詳細は個別にご相談ください」
- 執筆者を明示する:資格、登録番号、経歴
- 改正時に更新する:古い情報は信頼を損なう
制度改正への追随が最も重要です。古い情報のまま残っていると、専門家としての信頼を大きく損ないます。
料金の出し方
| 出し方 | 利点 | 欠点 |
|---|---|---|
| 料金表を公開 | 比較検討で候補に残る | 安さで比較される |
| 目安を提示 | 概算が伝わる | — |
| 非公開 | 個別に提案できる | 検討段階で外される |
目安だけでも出すことをお勧めします。「月額◯万円〜、規模と業務範囲により変動」という形でも、依頼側は社内で概算を出せます。
相談のハードルを下げる
| 工夫 | 効果 |
|---|---|
| 「初回相談無料」を明記 | 問い合わせが増える |
| 「相談だけでも可」と書く | 契約前提でないことを示す |
| 所要時間を書く | 「30分」と分かれば申し込みやすい |
| オンライン相談に対応 | 地域外からも相談が来る |
| 顔写真と経歴を出す | 人柄が伝わる |
| よくある相談例を載せる | 自分の悩みが該当するか分かる |
「よくある相談例」は効果があります。依頼側は「こんなことで相談してよいのか」と迷っています。
紹介を増やす
| 紹介元 | 関係の作り方 |
|---|---|
| 既存の顧問先 | 困りごとを定期的に聞く |
| 他の士業 | 扱う領域が重ならない相手と |
| 金融機関 | 取引先の課題を把握している |
| 同業 | 専門外の案件を相互に回す |
| 取引先の取引先 | 既存顧問先の紹介 |
他の士業との連携が最も現実的です。税理士と社労士、弁護士と司法書士のように、扱う領域が重ならない相手とは紹介が成立しやすくなります。
まとめ
- 依頼側は「この人に頼んで大丈夫か」を推し量っている
- 「何でも対応します」は最も選ばれにくい
- 専門領域は業種・規模・課題のいずれかで絞る
- 記事は断定を避け、時点を明記し、改正時に更新する
- 料金の目安だけでも出す
- 「初回相談無料」「相談だけでも可」でハードルを下げる
- 紹介は他の士業との連携が最も現実的
よくある質問
専門領域を絞ると依頼が減りませんか?
逆に増えることが多くあります。「何でも対応します」は、依頼側から見ると選ぶ理由になりません。「建設業専門」と書いてあるほうが、建設業の経営者からは「自社の事情を分かってくれそうだ」と受け取られます。絞った領域以外の依頼を断る必要はありません。
料金は公開すべきですか?
目安だけでも出すことをお勧めします。依頼側は社内で予算を確保する必要があり、金額の見当がつかないと相談自体を躊躇します。業務範囲によって変動する場合は「月額◯万円〜、規模と業務範囲により変動」という形で構いません。金額が一切分からないと、検討の初期段階で候補から外れます。
記事を書くときに気をつけることは何ですか?
断定を避け、情報の時点を明記し、制度改正時に更新することです。法令や制度の適用は個別の事情によって変わるため、一般的な説明にとどめ、「詳細は個別にご相談ください」と添えてください。また、古い情報が残っていると専門家としての信頼を大きく損なうため、改正時の更新が最も重要です。
紹介を増やすにはどうすればよいですか?
他の士業との連携が最も現実的です。税理士と社労士、弁護士と司法書士のように、扱う領域が重ならない相手とは、互いの専門外の案件を紹介し合えます。加えて、既存の顧問先に定期的に困りごとを聞くことで、自社で対応できる案件や、その先の紹介につながります。