更新日:2026年8月16日
顧客の声とは、実際に商品やサービスを利用している顧客から得られる、評価・要望・不満・利用実態の情報のことです。
マーケティングの材料は社内の想像ではなく顧客の言葉から作ったほうが精度が上がります。
ただし聞き方を誤ると、当たり障りのない回答しか得られません。特に取引関係がある相手は遠慮します。
集める手段
| 手段 | 得られるもの | 手間 | 本音の出やすさ |
|---|---|---|---|
| 個別インタビュー | 深い理由、背景 | 大きい | 高い |
| アンケート | 数値、傾向 | 小さい | 中 |
| 商談での会話 | 検討時の懸念 | — | 中 |
| サポートへの問い合わせ | 困っている点 | — | 高い |
| 解約時のヒアリング | 不満の核心 | — | 最も高い |
| 利用ログ | 実際の使われ方 | — | —(事実) |
解約時のヒアリングが最も本音が出ます。関係が終わるため遠慮がなくなります。ここを聞かずに終わらせるのは大きな損失です。
聞くタイミング
| 時期 | 聞くこと | 狙い |
|---|---|---|
| 導入直後 | 検討の経緯、決め手 | 受注理由の把握 |
| 3か月後 | 使い勝手、つまずいた点 | オンボーディングの改善 |
| 6か月〜1年 | 成果、要望 | 事例化、機能開発 |
| 更新時 | 継続の理由 | — |
| 解約時 | 不満、他社に移る理由 | 最も価値が高い |
| 失注時 | 選ばなかった理由 | — |
「導入直後に検討の経緯を聞く」のは見落とされがちです。時間が経つと、なぜ選んだかを本人も忘れます。
聞くべき質問
| 分類 | 質問 |
|---|---|
| 導入前 | どんな課題がありましたか |
| それまではどう対応していましたか | |
| どうやって探しましたか | |
| 検討 | 他にどんな選択肢を比較しましたか |
| 決め手は何でしたか | |
| 社内ではどう説明しましたか | |
| 導入前に不安だった点は何ですか | |
| 利用 | 今、どういう使い方をしていますか |
| 使っていない機能はありますか。その理由は | |
| 成果 | 導入前と後で何が変わりましたか |
| 要望 | あと1つ改善するとしたら何ですか |
「あと1つ改善するとしたら」は答えやすい質問です。「不満はありますか」だと遠慮して「特にない」と返されます。
本音を引き出す
- 営業担当以外が聞く:担当者本人だと遠慮される
- 改善のためだと伝える:評価ではないことを明示
- 否定しない:指摘に反論すると以後話されない
- 具体的に聞く:「どの画面で」「どういうときに」
- 沈黙を待つ:考えている時間を埋めない
- 最後に「他にありますか」と聞く:本題が最後に出ることがある
「営業担当以外が聞く」が最も効きます。日頃の関係があるぶん、担当者には言いにくいことがあります。
集めた声の使い道
| 声の種類 | 使い道 |
|---|---|
| 検討時の懸念 | よくある質問、記事、営業資料 |
| 決め手 | 訴求のメッセージ |
| 社内での説明の仕方 | 稟議用資料 |
| つまずいた点 | オンボーディングの改善、手順書 |
| 使っていない機能とその理由 | 機能改善、活用支援 |
| 成果 | 導入事例、実績の数値 |
| 要望 | 開発の優先順位 |
| 解約理由 | 商品・運用の改善 |
「社内ではどう説明しましたか」の答えは、そのまま稟議用資料になります。次の顧客が同じ説明をできるようにするためです。
注意点
| 注意 | 内容 |
|---|---|
| 要望をそのまま開発しない | 複数から出ているかを確認 |
| 声の大きい顧客に引きずられない | — |
| 満足層だけに偏らせない | 不満層こそ重要 |
| 公開の許諾を得る | 社名、発言内容 |
| 聞いて終わりにしない | 改善して報告する |
| 記録して蓄積する | 個人のメモに留めない |
「聞いて終わりにしない」が最も重要です。改善に反映されないと分かれば、次から協力してもらえません。
まとめ
- 材料は社内の想像ではなく顧客の言葉から
- 最も本音が出るのは解約時のヒアリング
- 導入直後に検討の経緯を聞く(時間が経つと忘れる)
- 「不満はありますか」ではなく「あと1つ改善するとしたら」
- 営業担当以外が聞くと本音が出やすい
- 「社内でどう説明したか」はそのまま稟議用資料になる
- 聞いて終わりにしない
よくある質問
顧客の声はどうやって集めればよいですか?
手段は複数ありますが、最も本音が出るのは解約時のヒアリングです。関係が終わるため遠慮がなくなります。次いで個別インタビュー、サポートへの問い合わせ内容です。アンケートは傾向を把握するには有効ですが、深い理由は得られにくくなります。
取引先なので本音を言ってもらえません。
営業担当以外が聞いてください。日頃の関係があるぶん、担当者本人には言いにくいことがあります。あわせて「評価ではなく改善のために聞いている」ことを明示し、指摘に反論しないでください。一度反論すると、以後は当たり障りのない回答しか返ってきません。
どんな質問をすればよいですか?
「あと1つ改善するとしたら何ですか」は答えやすい質問です。「不満はありますか」だと遠慮して「特にない」と返されます。加えて「導入前に不安だった点」「社内ではどう説明したか」「使っていない機能とその理由」は、施策に直結する答えが得られます。
集めた要望はすべて開発すべきですか?
すべきではありません。1社の要望をそのまま開発すると、他の顧客には不要な機能が増えます。複数の顧客から同じ要望が出ているかを確認し、優先順位を付けてください。あわせて、要望の背景にある課題を聞くと、別のより簡単な方法で解決できることがあります。