更新日:2026年8月16日
価格改定の通知とは、既存顧客に対して料金の変更を事前に伝え、継続の判断をしてもらう手続きのことです。
値上げは伝え方で結果が大きく変わります。
一定数の解約は避けられませんが、手順を踏むことで最小限に抑えられます。
通知の時期
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 3〜6か月前 | 検討の時間を確保する |
| 契約更新の直前 | 避ける(不信につながる) |
| 決算期の直後 | 予算の見直しがしやすい |
| 繁忙期 | 避ける |
契約更新の直前に伝えないでください。「更新させてから値上げするつもりだった」と受け取られます。
伝える順番
| 順 | 対象 | 手段 |
|---|---|---|
| 1 | 主要顧客・大口顧客 | 個別に訪問または電話 |
| 2 | 担当がついている顧客 | 個別に連絡 |
| 3 | その他の顧客 | メール |
| 4 | — | サイトでの告知 |
大口顧客にメールで一斉通知しないでください。個別に説明する順序が、その後の関係を左右します。
伝える内容
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 改定の内容 | いくらから、いくらへ |
| 適用の時期 | いつから |
| 理由 | なぜ改定するのか |
| これまでの提供内容の変化 | 機能追加、サポート強化 |
| 今後の方針 | 何に投資するのか |
| 選択肢 | 下位プラン、契約期間の変更 |
| 問い合わせ先 | — |
理由を必ず書いてください。「諸般の事情により」では納得されません。
理由の伝え方
| 悪い | 良い |
|---|---|
| 「諸般の事情により」 | 具体的な理由を書く |
| 「経営判断により」 | — |
| 一方的な通告 | これまでの提供内容の変化を示す |
| 謝罪だけ | 今後の方針を示す |
| 他社も上げているから | 自社の理由を |
「これまでに何が増えたか」を示すと納得されやすくなります。機能追加、サポート範囲の拡大、対応の改善などです。
想定される反応と対応
| 反応 | 対応 |
|---|---|
| 「なぜ上がるのか」 | 理由を具体的に説明 |
| 「他社に切り替える」 | 移行のコストと、自社の価値を再提示 |
| 「据え置いてほしい」 | 条件(契約期間、数量)を変える案 |
| 「予算が通らない」 | 下位プラン、段階的な移行 |
| 「聞いていない」 | 通知の記録を確認、丁寧に説明 |
| 無反応 | 個別に確認 |
「無反応」を放置しないでください。気づいていないだけで、請求時に問題になります。
解約を最小限にする
- 既存顧客の据え置き期間を設ける:半年〜1年
- 下位プランを用意する:予算内に収める選択肢
- 段階的に上げる:一度に大きく上げない
- 契約期間の変更で調整する:年契約で据え置きなど
- 事前に価値を再認識してもらう:成果レポートの提示
- 個別に説明する:大口から順に
通知の前に成果レポートを提示しておくと、受け止め方が変わります。価値を実感している状態で通知するのが理想です。
新規と既存を分ける
| 対象 | 進め方 |
|---|---|
| 新規 | 先に新価格を適用して反応を見る |
| 既存 | 新規での検証後に通知 |
| 更新前の既存 | 据え置き期間を設ける |
| 複数年契約 | 契約期間中は据え置き |
新規で先に検証してください。受注率の変化を見れば、値上げ幅が妥当かが分かります。
通知後にやること
| やること | 時期 |
|---|---|
| 個別の反応を記録する | 都度 |
| 解約の申し出に対応する | 都度 |
| 据え置きの適用を管理する | — |
| 解約率の変化を見る | 1〜3か月 |
| 理由を集計する | — |
| 次回の参考にする | — |
解約の理由を集計してください。価格そのものか、価値が伝わっていなかったかで、次の対処が変わります。
まとめ
- 通知は3〜6か月前。更新直前は避ける
- 大口顧客には個別に説明する
- 理由を具体的に書く(「諸般の事情」は不可)
- これまでに何が増えたかを示す
- 据え置き期間や下位プランで選択肢を作る
- 新規で先に検証してから既存へ
- 通知前に成果レポートで価値を再認識してもらう
よくある質問
値上げの通知はいつすべきですか?
適用の3〜6か月前が目安です。顧客が予算の見直しや代替の検討をする時間が必要です。避けるべきは契約更新の直前で、「更新させてから値上げするつもりだった」と受け取られ、不信につながります。
理由は何と書けばよいですか?
具体的に書いてください。「諸般の事情により」「経営判断により」では納得されません。原価の上昇、提供範囲の拡大、機能の追加、サポート体制の強化など、実際の理由を示してください。あわせて「これまでに何が増えたか」を示すと、受け止め方が変わります。
解約を最小限にするにはどうすればよいですか?
選択肢を用意してください。既存顧客への据え置き期間(半年〜1年)、予算内に収まる下位プラン、段階的な値上げ、契約期間の変更による調整などです。加えて、通知の前に成果レポートを提示して価値を再認識してもらうと、受け止め方が変わります。
既存顧客にも同時に適用すべきですか?
新規で先に検証してから既存に通知するのが安全です。新規での受注率の変化を見れば、値上げ幅が妥当かを確認できます。既存顧客には、検証後に十分な期間を設けて通知し、据え置き期間を設けることで解約を抑えられます。