更新日:2026年8月16日
初回商談とは、見込み客と最初に行う打ち合わせで、課題を把握し、自社が解決できるかを互いに確認する場のことです。
初回でやることは説明ではありません。相手の状況を把握し、次に進むかを判断する場です。
説明に時間を使いすぎると、相手の課題が分からないまま提案することになります。
事前に調べること
| 項目 | どこで | 使い道 |
|---|---|---|
| 事業内容・規模 | 企業サイト、企業データ | 提案の前提 |
| 直近の動き | ニュース、プレスリリース | 会話の入口 |
| 採用状況 | 採用ページ | 体制の推測 |
| サイトの閲覧履歴 | 自社の計測 | 関心のあるテーマ |
| 流入経路 | — | 検討段階の推測 |
| 問い合わせ内容 | フォームの記述 | — |
| 過去の接点 | 商談記録、名刺 | 「初めまして」を避ける |
「サイトの閲覧履歴」が分かると、会話の入り方が変わります。料金ページを見ていた相手と、用語解説だけ読んだ相手では、必要な話が違います。
時間配分(60分の場合)
| 時間 | 内容 | 割合 |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 挨拶、今日の進め方の共有 | — |
| 5〜25分 | ヒアリング | 約3分の1 |
| 25〜40分 | 説明(聞いた課題に絞る) | — |
| 40〜50分 | 質疑 | — |
| 50〜60分 | 次のアクションの確認 | — |
ヒアリングに全体の3分の1を使ってください。説明から入ると、相手の課題と関係のない話をすることになります。
最初に共有すること
- 今日のゴール:「状況を伺って、お役に立てそうかを一緒に確認させてください」
- 進め方:「前半でお話を伺い、後半でご説明します」
- 所要時間:「60分で終わります」
- 質問してよいこと:「途中でも遠慮なくお聞きください」
「お役に立てそうかを一緒に確認」と伝えると、売り込みの場ではないことが示せます。相手も話しやすくなります。
聞く順番
| 順 | 聞くこと | 質問の例 |
|---|---|---|
| 1 | 現状 | 「今はどのように対応されていますか」 |
| 2 | 困りごと | 「その中で、手間になっている部分はありますか」 |
| 3 | 影響 | 「それによってどのくらい時間や費用がかかっていますか」 |
| 4 | これまでの対応 | 「これまでに試されたことはありますか」 |
| 5 | 理想 | 「どういう状態になれば解決といえますか」 |
| 6 | 優先度 | 「社内でこの課題の優先度は高いほうですか」 |
| 7 | 時期 | 「いつ頃までに解決したいとお考えですか」 |
| 8 | 進め方 | 「導入を決める際は、どなたの承認が必要ですか」 |
「これまでに試したこと」を必ず聞いてください。既に試して失敗した方法を提案すると、その時点で信頼を失います。
説明は聞いた課題に絞る
| やり方 | 結果 |
|---|---|
| 全機能を説明する | 相手が自分に関係のある部分を見失う |
| 聞いた課題に対応する部分だけ説明する | 自分ごととして聞ける |
| 画面を見せる | 理解が速い |
| 同業の事例を出す | 判断材料になる |
| できないことも伝える | 信頼につながる |
「できないことを伝える」ほうが結果的に信頼されます。すべて対応可能と答えると、相手は疑います。
商談中に確認しておくこと
| 項目 | なぜ必要か |
|---|---|
| 社内の決定手順 | 必要な資料が分かる |
| 関わる部署 | 情報システム、法務、購買 |
| 予算の状況 | 時期の判断 |
| 他社との比較 | 差別化の説明が要る |
| 懸念点 | 先回りして解消できる |
| 社内で説明する相手 | 資料の作り分け |
「社内で誰に説明するか」を聞いておくと、渡すべき資料が決まります。
終わり方
| やること | 言い方 |
|---|---|
| 要点の確認 | 「本日伺った課題は◯◯という理解で合っていますか」 |
| 自社が役立てるかの見解 | 「この部分はお役に立てそうです」「この部分は難しいです」 |
| 次のアクション | 「次回までに◯◯をお持ちします」 |
| 日程の確定 | その場で決める |
| 宿題の確認 | 相手側にお願いすること |
次回日程はその場で決めてください。「後日ご連絡します」で終わると、そこから止まることが多くあります。
避けること
| やり方 | なぜ避けるか |
|---|---|
| 最初から商品説明 | 課題が分からないまま提案することになる |
| 資料を読み上げる | その場にいる意味がない |
| 相手の発言を遮る | 情報が得られない |
| できないことを曖昧にする | 後で問題になる |
| 次回を決めずに終わる | 止まる |
| メモを取らない | 後から記録できない |
「最初から商品説明」が最も多い失敗です。相手は自分の課題に対する答えを聞きたいのであって、機能一覧を聞きたいわけではありません。
まとめ
- 初回は説明ではなく把握の場
- ヒアリングに全体の3分の1を使う
- 最初に今日のゴールと進め方を共有する
- 聞く順番は現状 → 困りごと → 影響 → 理想 → 優先度 → 時期 → 決定手順
- 「これまでに試したこと」を必ず聞く
- 説明は聞いた課題に絞る
- 次回日程はその場で決める
よくある質問
初回商談で何を話すべきですか?
説明より、相手の状況を聞くことに時間を使ってください。目安として全体の3分の1をヒアリングに充てます。現状、困りごと、その影響、これまで試したこと、理想、優先度、時期、決定手順の順で聞くと、提案に必要な情報が揃います。
説明はどこまで詳しくすべきですか?
聞いた課題に対応する部分だけにしてください。全機能を説明すると、相手は自分に関係のある部分を見失います。加えて、対応できないことがあれば正直に伝えてください。すべて対応可能と答えると、相手はかえって疑います。
商談が次につながりません。
次回日程をその場で決めていない可能性があります。「後日ご連絡します」で終わると、そこから止まることが多くあります。あわせて、商談の最後に「本日伺った課題は◯◯という理解で合っていますか」と要点を確認し、次回までに何を持ってくるかを明示してください。
事前に何を調べておくべきですか?
事業内容、規模、直近のニュース、採用状況に加えて、自社サイトの閲覧履歴が分かると会話の入り方が変わります。料金ページを見ていた相手と用語解説だけ読んだ相手では、必要な話がまったく違います。過去に接点があれば商談記録も必ず確認し、「初めまして」で始めないでください。