更新日:2026年8月16日
アンケートとは、複数の相手に同じ質問を投げて回答を集め、傾向を把握するための調査手法です。
設問の作り方で結果が変わります。聞き方を誤ると、実態と違う答えが集まります。
また集計できない形で集めると、読んで終わりになります。
目的を決める
| 目的 | 聞くこと | 設問の型 |
|---|---|---|
| 満足度の把握 | 評価 | 5〜10段階 |
| 改善点の発見 | 困っている点 | 自由記述+選択肢 |
| ニーズの把握 | 使っていない機能とその理由 | 選択肢 |
| リードの選別 | 検討状況 | 選択肢 |
| 記事・資料の企画 | 関心のあるテーマ | 複数選択 |
| 調査データの作成 | 業界の実態 | 選択肢中心 |
目的が決まらないと設問が作れません。「とりあえず聞く」と、使えないデータが集まります。
回答率を上げる
| 工夫 | 効果 |
|---|---|
| 設問数を絞る | 5問以内が目安 |
| 所要時間を明記する | 「1分で終わります」 |
| 冒頭で目的を伝える | 何に使うか |
| 選択肢を中心にする | 自由記述は最後に1問 |
| スマートフォンで答えやすくする | — |
| 送るタイミングを選ぶ | 成果が出た直後など |
| 回答後に反応する | 次回の回答率に影響 |
「回答後に反応する」を必ず行ってください。送っても何も起きなければ、次から回答されません。
答えやすい設問の作り方
| 悪い | 良い | 理由 |
|---|---|---|
| 「サービスはいかがですか」 | 「操作のしやすさを5段階で」 | 対象が曖昧 |
| 「改善点はありますか」 | 「あと1つ改善するとしたら何ですか」 | 答えやすい |
| 「満足していますか(はい/いいえ)」 | 5段階で | 2択は情報量が少ない |
| 「◯◯と△△についてどう思いますか」 | 1問1論点に分ける | 混ざる |
| 「よくご利用いただいていますか」 | 「直近1か月の利用頻度は」 | 誘導になる |
1問1論点にしてください。複数の要素を1問に入れると、どれについての回答か分かりません。
避けるべき聞き方
| 聞き方 | 問題 |
|---|---|
| 誘導的な表現 | 「便利な◯◯機能はいかがですか」 |
| 否定形 | 「◯◯でないと思いますか」 |
| 専門用語 | 相手が分からない |
| 前提を含む | 「改善された点は」(改善前提) |
| 答えが1つに絞れない | 複数選択にすべきものを単一選択に |
| 「その他」がない | 当てはまらない人が答えられない |
誘導的な設問は、都合の良い結果を集めるだけになります。改善に使えません。
集計できる形にする
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 選択肢を先に設計する | 後から分類できない |
| 選択肢をMECEにする | 重複・漏れをなくす |
| 「その他(自由記述)」を用意する | — |
| 自由記述は補足に留める | 集計は選択肢で |
| 回答者の属性も取る | 業種、規模、役職 |
| 回答日を記録する | 時系列で見る |
属性を取らないと、傾向が読めません。「業種によって回答が違う」といった発見が得られなくなります。
場面別の設問例
| 場面 | 設問 |
|---|---|
| 資料ダウンロード時 | 「現在の検討状況は」(情報収集/比較検討/導入予定) |
| ウェビナー後 | 「本日の内容で最も参考になった点は」 |
| 「個別に相談したい内容はありますか」 | |
| 導入3か月後 | 「使いこなせていない機能はありますか」 |
| 更新前 | 「継続を判断するうえで重視する点は」 |
| 解約時 | 「主な理由をお選びください」 |
資料ダウンロード時の「現在の検討状況」は有用です。1問追加するだけで、リードの選別に使えます。
アンケートの限界
| 限界 | 内容 | 補い方 |
|---|---|---|
| 答えと実際の行動は違う | 「使う」と答えても使わない | 行動データで確認 |
| 回答者が偏る | 満足層・不満層のどちらかに | 回答率も見る |
| 遠慮が入る | 取引関係があると本音が出にくい | 個別ヒアリングを併用 |
| 深い理由が分からない | — | 自由記述、インタビュー |
| 件数が少ないと判断できない | — | — |
「あったら使う」という回答を当てにしないでください。実際に買うかは別です。
まとめ
- 目的を決めてから設問を作る
- 設問は5問以内、所要時間を明記
- 1問1論点にする
- 誘導的な設問は改善に使えない
- 選択肢を先に設計する(後から分類できない)
- 属性(業種・規模・役職)も取る
- 回答後に必ず反応する
よくある質問
アンケートの設問数はいくつが適切ですか?
5問以内が目安です。それ以上だと回答率が下がります。所要時間を「1分で終わります」と明記すると、さらに回答されやすくなります。詳しく聞きたい場合は、アンケートではなく個別インタビューに切り替えてください。
自由記述と選択肢はどちらがよいですか?
集計は選択肢、文脈の把握は自由記述と使い分けてください。自由記述だけで集めると、後から分類できず読んで終わりになります。選択肢を先にMECEに設計し、自由記述は最後に1問だけ添える形が実務的です。
回答が集まりません。
設問数、送るタイミング、回答後の反応を確認してください。設問が多い、繁忙期に送っている、前回回答したのに何も起きなかった、のいずれかが原因のことが多くあります。特に3つ目は次回の回答率に直結します。回答へのお礼と、指摘への対応を必ず伝えてください。
アンケートの結果をそのまま信じてよいですか?
行動データと併せて見てください。「あったら使う」という回答と、実際に使うかどうかは別です。また、取引関係がある相手は遠慮して高めに回答する傾向があり、不満を持つ人ほど回答しない傾向もあります。回答率も併せて確認し、必要に応じて個別ヒアリングで補ってください。