更新日:2026年8月16日
年間振り返りとは、1年間の施策と成果を集計し、続けるもの・やめるもの・変えるものを決める作業のことです。
数字を並べるだけでは振り返りになりません。次に何をするかが決まって初めて意味があります。
またやめる判断を含めないと、施策が増え続けて工数が分散します。
見る指標
| 段階 | 指標 | 前年比 |
|---|---|---|
| 流入 | セッション数、経路別の内訳 | — |
| 獲得 | リード数、獲得単価 | — |
| 質 | 有効リード率、商談化率 | — |
| 成果 | 商談数、受注数、受注率 | — |
| 効率 | 商談単価、受注単価(CAC) | — |
| 継続 | 解約率、NRR | — |
| 資産 | 記事本数、事例本数、リスト件数 | — |
「資産」の項目を入れてください。今年の受注に直結しなくても、来年以降の基盤になっています。
施策別に評価する
| 評価項目 | 見ること |
|---|---|
| 投下した費用 | 人件費を含む |
| 得られたリード数 | — |
| 商談数 | — |
| 受注数と金額 | — |
| 受注単価 | 費用 ÷ 受注数 |
| 継続率 | その経路の顧客が続くか |
| 工数 | — |
施策別の受注単価を出すと、順位が入れ替わることがあります。リード獲得単価が安くても、商談化しない経路は実質的に高くつきます。
続ける・やめる・変える
| 判断 | 条件 | 例 |
|---|---|---|
| 続ける | 成果が出ており、再現性がある | — |
| 増やす | 成果が出ており、まだ余地がある | — |
| 変える | 方向は正しいが未達 | 対象、内容、頻度を調整 |
| 減らす | 成果に対して工数が大きい | — |
| やめる | 1年やって成果がなく、見込みもない | — |
| 判断保留 | 成果が出るまで時間がかかる施策 | SEOは1年では判断しない |
「やめる」判断を必ず含めてください。これがないと施策が増え続け、どれも中途半端になります。
時間軸で分けて評価する
| 施策 | 評価に必要な期間 | 1年での判断 |
|---|---|---|
| 広告 | 1〜3か月 | できる |
| フォーム・導線の改善 | 1〜2か月 | できる |
| メール配信 | 3〜6か月 | できる |
| SEO・記事 | 6〜12か月 | 慎重に |
| ブランド・認知 | 1年以上 | できない |
| パートナー開拓 | 6か月〜1年 | 慎重に |
SEOを1年で切らないでください。記事は公開後も流入を生み続けるため、蓄積が効いてくるのは2年目以降のことがあります。
数字以外に振り返ること
- 受注理由の傾向:何が決め手になっているか
- 失注理由の傾向:どこで負けているか
- 顧客層の変化:想定と実際がずれていないか
- 競合の動き:新規参入、価格、訴求
- 社内の体制:回せているか
- 止まった施策:なぜ止まったか
「止まった施策」を必ず振り返ってください。やる気ではなく体制や設計に原因があることがほとんどです。
来期に落とし込む
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 目標 | 売上、受注数からの逆算 |
| 注力する施策 | 2〜3本に絞る |
| やめる施策 | — |
| 予算配分 | 短期・中期・基盤・検証 |
| 体制 | 担当、外注の範囲 |
| 評価の時期 | 施策ごとに |
| 検証枠 | 全体の1〜2割 |
注力する施策を2〜3本に絞ってください。全部やろうとすると、どれも閾値に届きません。
振り返りの進め方
| 順 | やること | 所要 |
|---|---|---|
| ① | 数字を集計する | 半日 |
| ② | 施策別に費用と成果を並べる | 半日 |
| ③ | 受注・失注理由を集計する | 半日 |
| ④ | 続ける・やめる・変えるを決める | — |
| ⑤ | 来期の目標と施策を決める | — |
| ⑥ | 文書に残す | — |
⑥を必ず行ってください。判断の経緯が残っていないと、担当が変わったときに同じ議論を繰り返します。
まとめ
- 数字を並べるだけでは振り返りにならない
- 「資産」の項目(記事本数、事例本数)も見る
- 施策の比較は受注単価で
- 「やめる」判断を必ず含める
- SEOを1年で切らない
- 止まった施策の原因を振り返る
- 来期の注力施策は2〜3本に絞る
よくある質問
年間振り返りで何を見ればよいですか?
流入・獲得・質・成果・効率・継続の6段階を前年比で見てください。加えて「資産」(記事本数、事例本数、リスト件数)も入れてください。今年の受注に直結しなくても、来年以降の基盤になっています。
施策の良し悪しはどう判断しますか?
受注単価(費用 ÷ 受注数)で比較してください。リード獲得単価が安くても、商談化率や受注率が低ければ実質的な費用は高くなります。あわせて継続率も見てください。安く獲得できても早期に解約されるなら、その経路の価値は下がります。費用には人件費を含めてください。
やめる判断はどうすればよいですか?
1年やって成果がなく、改善の見込みもない施策は、やめる判断をしてください。ただし施策によって評価に必要な期間が違います。広告は1〜3か月で判断できますが、SEOは6〜12か月かかり、記事は蓄積が効いてくるのが2年目以降のこともあります。時間軸を揃えずに切ると、成果が出る直前でやめることになります。
振り返りで数字以外に見るべきことはありますか?
受注・失注理由の傾向、顧客層の変化、止まった施策の原因です。特に「止まった施策」は重要で、やる気ではなく体制や設計に原因があることがほとんどです。担当が1人に決まっていなかった、承認に時間がかかった、毎回ゼロから考えていた、といった構造的な原因を特定すると、来期の設計が変わります。