更新日:2026年8月16日
リターゲティング広告とは、自社サイトを訪れたことのある人に対して、他のサイトやSNS上で再度広告を表示する手法です。リマーケティングとも呼ばれます。
一度訪れた相手は自社を認識しているため、新規への配信よりCV率が高くなります。
一方で、設計を誤ると「追いかけられている」印象を与えます。頻度と期間の制御が成否を分けます。
仕組み
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① タグを設置する | サイトに計測タグを入れる |
| ② 訪問者を記録する | どのページを見たかを記録し、リストを作る |
| ③ リストを条件で分ける | 閲覧ページ、訪問からの日数など |
| ④ 広告を配信する | 広告ネットワークやSNS上で表示 |
| ⑤ 除外する | CV済みの人、既存顧客を外す |
⑤の除外を忘れると、既に契約した顧客に「お問い合わせはこちら」の広告を出し続けることになります。
配信対象の分け方
| 閲覧内容 | 検討度 | 配信する内容 |
|---|---|---|
| 料金ページを見た | 高 | 導入事例、費用対効果、相談の案内 |
| 導入事例を見た | 中〜高 | 同業の詳しい事例 |
| サービス紹介を見た | 中 | 課題別の解決策 |
| 記事だけを見た | 低 | 関連資料のダウンロード |
| フォームまで来て離脱 | 最高 | 問い合わせの案内、相談だけでも可と伝える |
| CV済み | — | 配信対象から除外 |
全訪問者に同じ広告を出すのは最ももったいない設計です。閲覧内容で分けるだけで反応が変わります。
嫌われない設計
| 設定 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 配信期間 | 30〜90日 | それ以上は検討が終わっている |
| 表示頻度の上限 | 1人あたり1日3〜5回程度 | 同じ広告の連続表示は逆効果 |
| クリエイティブの本数 | 2〜3種 | 同じ絵を出し続けない |
| CV後の除外 | 必須 | 契約後の広告表示は不信感につながる |
| 配信面の除外 | 不適切なサイトを除外 | ブランドを毀損しない |
期間を長くしすぎないでください。半年前に一度見ただけの人に広告を出し続けても、費用が出ていくだけです。
Cookie規制の影響
| 変化 | 影響 | 対応 |
|---|---|---|
| サードパーティCookieの制限 | ブラウザをまたいだ追跡が困難に | ファーストパーティデータの活用 |
| トラッキング防止機能の強化 | 計測期間が短縮される | 短期の配信設計に寄せる |
| 同意取得の要件 | 取得できる範囲が限定される | 同意管理の導入 |
| 計測の精度低下 | CVの一部が計測されない | サーバー側計測の併用 |
リターゲティングの効果は以前より下がっています。今後は、自社が保有する顧客データ(メールアドレス等)を使った配信の比重が上がります。
BtoBでの使いどころ
- 検討期間が長い商材:数か月かけて検討する間、想起され続ける
- 複数人が関わる購買:担当者以外の目にも触れる
- 展示会・ウェビナー後:接触した企業からの再訪を捉える
- 資料ダウンロード後:メールと併用して接触機会を増やす
BtoBでは配信対象の母数が小さくなりがちです。訪問者が月数百人規模だと、広告ネットワーク側の最小配信数に届かず配信されないことがあります。
効果の測り方
| 指標 | 注意点 |
|---|---|
| CV数 | リターゲティング経由のCVを分けて集計する |
| CPA | 新規配信と比べて安いのは当然。過大評価しない |
| アシストCV | 最終CVでなくても、途中で寄与した分 |
| 配信頻度 | 1人あたりの表示回数が過剰でないか |
| ブランドへの影響 | 問い合わせ時に「よく見かける」と言われるか |
リターゲティングのCPAは構造的に安くなります。もともと関心のある人に配信しているため、他の施策と単純比較すると過大評価します。
よくある失敗
| 失敗 | 対処 |
|---|---|
| 全訪問者に同じ広告 | 閲覧内容でリストを分ける |
| CV済みを除外していない | 除外リストを設定する |
| 配信期間が長すぎる | 30〜90日に制限する |
| 同じ広告を出し続ける | 2〜3種を用意し、定期的に差し替える |
| 遷移先がトップページ | 見ていた内容に対応するページへ |
| 予算を配分しすぎる | 母数が限られるため、上限がある |
予算の配分に上限がある点は見落とされます。訪問者の数以上には配信できないため、予算を増やしても頻度が上がるだけになります。
まとめ
- リターゲティングは訪問済みの相手に再度広告を出す手法
- 閲覧内容で配信対象を分ける
- 配信期間は30〜90日、頻度に上限を設ける
- CV済み・既存顧客を除外する
- Cookie規制で効果は以前より低下している
- CPAが安いのは構造的なもの。過大評価しない
- 予算を増やしても母数以上には配信できない
よくある質問
リターゲティングの配信期間はどのくらいが適切ですか?
商材の検討期間に合わせますが、30〜90日が一般的な目安です。検討期間が数か月に及ぶBtoB商材では90日、比較的短期で決まる商材では30日程度に設定します。これより長くすると、既に検討を終えた人に配信し続けることになります。
しつこいと思われないか心配です。
表示頻度の上限設定で制御してください。1人あたり1日3〜5回程度が目安です。加えて、同じクリエイティブを出し続けないよう2〜3種を用意し、CV済みの人を確実に除外してください。この3つで、多くの不快感は避けられます。
Cookie規制でリターゲティングは使えなくなりますか?
完全に使えなくなるわけではありませんが、効果は以前より低下しています。サードパーティCookieに依存した追跡は制限が進んでおり、計測期間も短くなっています。今後は自社が保有する顧客データを使った配信や、サーバー側での計測を併用する形に移っていきます。
BtoBでも効果はありますか?
検討期間が長く、複数人が意思決定に関わるBtoBとは相性が良い施策です。ただし訪問者の母数が小さいと配信自体が成立しません。月の訪問者が数百人規模だと、広告プラットフォーム側の最小配信数に届かないことがあります。まず流入を増やしてから取り組むほうが確実です。