更新日:2026年8月10日
アクセス解析ツールは入れた。数字も見ている。それでも「で、何をすればいいのか」が出てこない——これは Web解析でいちばん多い状態です。
原因は、見る数字が多すぎることと、数字が事業の結果につながっていないことの2つです。この記事では、Web解析とは何をする作業なのかを整理し、最低限見るべき数字と進め方を説明します。
Web解析とアクセス解析の違い
この2つは混同されがちですが、範囲が違います。
| アクセス解析 | Web解析 | |
|---|---|---|
| やること | 訪問数・流入元・閲覧ページなどを計測して可視化する | 計測した数字から原因を推定し、次の施策を決めて効果を確認する |
| 成果物 | レポート | 打ち手と、その結果 |
| 終わり方 | 数字が出たら終わり | 施策を打って数字が動いたら次へ |
つまりアクセス解析はWeb解析の一部です。レポートを作って共有した時点で止まっているなら、それはアクセス解析までしか回っていません。
最低限見るべき5つの数字
指標は増やすほど判断が鈍ります。まずはこの5つで十分です。
- 自然検索/広告/メール/SNS/直接に分ける
- 合計だけを見ると、増減の原因が分からない
- 問い合わせ・資料請求など、事業の成果に近いものを1つ決める
- 流入元別に必ず分ける。CVRは全体平均で見ると意味を失う
- よく見られているのに次に進まないページが、改善の優先度が高い
- どんな言葉で来ているか。ここに顧客の課題がそのまま出る
- 「表示は多いがクリックされない」ページはタイトルの問題、「クリックはあるが離脱」は中身の問題
- スマホ比率が高いのにスマホのCVRだけ低い場合、フォームに原因があることが多い
BtoBでは「どの企業が来たか」まで見る
BtoBサイトの訪問者は、その日に問い合わせません。検討期間が数か月に及ぶため、CVした人だけを見ていると、母数の大部分を取りこぼします。
そこで使われるのが、IPアドレスから訪問企業を推定する仕組みです。「どの企業が、どのページを、何回見たか」が分かると、次のような判断ができます。
- 料金ページを繰り返し見ている企業に、営業から連絡する
- 特定業種の閲覧が多いなら、その業種向けのページを作る
- 失注した企業が再訪していたら、検討が再開した合図として扱う
詳しくは来訪企業の可視化とは?で解説しています。ツールの比較はWEB解析ツールとは?おすすめ7選をご覧ください。
進め方:数字→仮説→施策→確認
1. 異常を見つける
前月比・前年同月比で、大きく動いた数字を1つだけ選びます。全部を見ようとすると止まります。
2. 分解して原因を絞る
CVが減ったなら、セッションが減ったのかCVRが下がったのか。CVRが下がったなら、どの流入元か、どのデバイスか。1回の分解で半分に絞るのを繰り返します。
3. 仮説を1文で書く
「スマホのフォーム入力エラーが増えたため、スマホのCVRが下がった」のように、原因と結果を1文で書きます。書けないなら、まだ分解が足りません。
4. 施策を1つだけ打つ
同時に複数を変えると、どれが効いたか分かりません。効果検証まで含めて1つずつ進めます。
5. 期間を決めて確認する
「2週間後に、スマホCVRが0.8%→1.2%になったか」のように、いつ・何が・いくつになれば成功かを先に決めます。
数字を見ても改善が進まないときは
- 指標が多すぎる:ダッシュボードに20個並んでいると、どれから手を付けるか決まりません。5つに減らしてください
- CVの定義が事業とずれている:ページ閲覧をCVにしていると、増えても売上が動きません
- 解析と施策の担当が分かれている:レポートを渡すだけの関係だと、打ち手まで進みません。同じ人が最後まで見るのが最短です
まとめ
- Web解析は計測ではなく意思決定のための作業。レポートで終わらせない
- まずは流入元別セッション/CV・CVR/ページ別/検索クエリ/デバイス別の5つ
- BtoBは「どの企業が来たか」まで見ると、CV前の見込み客を拾える
- 異常を1つ選び、分解し、仮説を1文で書き、施策を1つ打つ
使うツールの選び方はWEB解析ツールとは?無料・有料のおすすめ7選と選び方、検索経由の数字を CV までつなげる手順はSearch Consoleの数字をCVまでつなげて見る方法をご覧ください。
よくある質問
Web解析とアクセス解析は何が違いますか?
アクセス解析は訪問数や流入元などを計測して可視化するところまで、Web解析はその数字から原因を推定し、次の施策を決めて効果を確認するところまでを指します。アクセス解析はWeb解析の一部で、レポートを作って共有した時点で止まっているなら、アクセス解析までしか回っていない状態です。
Web解析は何から始めればよいですか?
まず計測環境を整えてください。アクセス解析ツールとSearch Consoleを設置し、問い合わせ完了をCVとして計測できるようにします。そのうえで、流入元別のセッション数とCVRの2つだけを1か月見てください。最初から指標を増やすと判断が鈍ります。
無料のツールだけで足りますか?
アクセス数・流入元・検索クエリの把握までは無料ツールで十分です。BtoBで「どの企業が訪問したか」を知りたい場合や、CV後の商談・受注までつなげて見たい場合は、それに対応したツールが必要になります。
どのくらいの頻度で見ればよいですか?
週1回30分の定点確認と、月1回の振り返りで十分です。毎日見ても数字の揺れに振り回されるだけで、判断の材料は増えません。ただし広告を配信している期間は、費用の使いすぎを防ぐために日次で予算消化だけ確認してください。
grip space は、アクセスの数字と「どの企業が来たか」「その後CVしたか」を同じ画面でつないで確認できます。数字は見ているが打ち手に変わらない、という段階でしたら、お気軽にご相談ください。
どの企業がサイトに来ているかの把握はBtoB向けアクセス解析ツール grip spaceでご利用いただけます。機能と料金はリンク先でご確認ください。


