更新日:2026年8月16日
営業目標とは、一定期間に達成すべき売上や受注件数を定め、そこから必要な活動量まで分解した計画のことです。
「前年比120%」のような目標だけでは、明日何をすればよいかが決まりません。
売上から活動量まで分解して初めて、日々の行動と目標がつながります。
逆算の手順
| 段階 | 計算 | 例 |
|---|---|---|
| ① 売上目標 | — | 年間1.2億円 |
| ② 受注件数 | 売上 ÷ 平均単価 | 1.2億 ÷ 120万 = 100件 |
| ③ 商談数 | 受注件数 ÷ 受注率 | 100 ÷ 25% = 400件 |
| ④ 有効リード数 | 商談数 ÷ 商談化率 | 400 ÷ 30% = 1,334件 |
| ⑤ リード数 | 有効リード ÷ 有効率 | 1,334 ÷ 40% = 3,335件 |
| ⑥ 月あたり | 年間 ÷ 12 | リード278件/月、商談33件/月 |
各段階の率は、必ず自社の実績から取ってください。業界平均を使うと、達成できない計画になります。
既存と新規を分ける
| 区分 | 内訳の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 既存顧客の継続 | 7,000万円 | 解約率から見込む |
| 既存顧客の拡大 | 1,500万円 | アップセル実績から |
| 新規 | 3,500万円 | ここを積み上げる |
| 合計 | 1.2億円 | — |
新規で埋めるべき金額を先に確定してください。既存の継続分を見込まずに全額を新規で計画すると、必要な活動量が過大になります。
成果目標と行動目標
| 成果目標 | 行動目標 | |
|---|---|---|
| 例 | 受注100件、売上1.2億円 | 架電1日30件、商談週8件 |
| コントロール | できない(相手次第) | できる |
| 評価 | 結果で判断 | 実行で判断 |
| 使いどころ | 組織・期の目標 | 日々の管理 |
| 問題 | 未達時に打ち手が分からない | 量だけ追うと質が落ちる |
両方を置いてください。成果目標だけだと日々の行動が決まらず、行動目標だけだと数をこなすだけになります。
個人への配分
| 配分の考え方 | 適する場面 | 注意 |
|---|---|---|
| 均等に割る | 担当の条件が同じ | 経験差が反映されない |
| 経験・実績で傾斜 | 差が大きい | 納得感が要る |
| 担当領域の規模で割る | 地域・業種で分けている | 領域の差が大きいと不公平 |
| 既存と新規で分ける | 役割が違う | — |
合計が組織目標をわずかに上回るように配分するのが一般的です。ちょうど100%だと、1人の未達で組織目標が未達になります。
目標の水準
| 達成率 | 評価 | 対応 |
|---|---|---|
| 常に120%超 | 目標が低すぎる | 水準を上げる |
| 90〜110% | 適正 | 維持 |
| 70〜90% | やや高い | 要因を確認 |
| 常に60%未満 | 高すぎる | 水準を下げる、または前提を見直す |
達成できない目標を掲げ続けると、目標そのものが無視されるようになります。
未達のときに見る順番
- ① どの段階で落ちたか:リード、商談、受注、単価のどれか
- ② 量か率か:活動量が足りないのか、転換率が下がったのか
- ③ 全員か特定の担当者か:構造的な問題か個人の問題か
- ④ 外部要因はあるか:市場、季節、競合
- ⑤ 前提が変わっていないか:単価、受注率の見込み
①を飛ばして「もっと頑張れ」と言わないでください。リードが足りないのに架電を増やしても、同じ相手にかけ直すだけになります。
見直しのタイミング
| 時期 | 見直す内容 |
|---|---|
| 月次 | 進捗と活動量。行動目標の調整 |
| 四半期 | 転換率の前提。単価の実績 |
| 半期 | 目標水準そのもの |
| 市場が大きく変わったとき | 随時 |
期中に成果目標を下げるのは慎重に判断してください。一度下げると、次から目標が交渉対象になります。行動目標の調整で対応できないかを先に検討してください。
まとめ
- 売上から活動量まで分解する
- 各段階の率は自社の実績から取る
- 既存の継続分を先に見込み、新規で埋める額を確定する
- 成果目標と行動目標の両方を置く
- 個人配分の合計は組織目標をわずかに上回らせる
- 達成率90〜110%が適正な水準
- 未達時はまずどの段階で落ちたかを見る
よくある質問
目標はどこから決めればよいですか?
売上目標から逆算してください。売上 → 受注件数 → 商談数 → 有効リード数 → リード数 の順に、各段階の転換率で割っていきます。ここで使う転換率は、必ず自社の過去実績から取ってください。業界平均を使うと、実現できない活動量が算出されます。
成果目標と行動目標はどちらが重要ですか?
両方必要です。成果目標(受注件数、売上)は相手の判断に左右されるためコントロールできませんが、組織の目標としては必要です。行動目標(架電数、商談数)はコントロールできるため日々の管理に使えます。片方だけだと、日々の行動が決まらないか、量だけを追うことになります。
目標を達成できない場合はどうしますか?
まず「どの段階で落ちたか」を特定してください。リードが足りないのか、商談化率が下がったのか、受注率が下がったのか、単価が下がったのかで、打つ手がまったく違います。リードが足りない状態で架電を増やしても、同じ相手にかけ直すだけになります。
期の途中で目標を下げてもよいですか?
慎重に判断してください。一度下げると、次から目標が交渉の対象になります。まず行動目標の調整や、既存顧客の拡大など別の手段で埋められないかを検討してください。ただし、市場環境が大きく変わった場合や、前提にしていた単価・受注率が実態と乖離していることが明らかな場合は、見直したほうが健全です。