更新日:2026年8月16日
マーケティングの内製とは業務を自社の人員で行うこと、外注とは制作会社や代理店など社外に委託することです。
判断の基準は「専門性が高いか」と「継続的に発生するか」の2つです。
継続的に発生する業務を全部外注すると、社内にノウハウが残らず、外注を止めた時点で何も動かなくなります。
判断の2軸
| 継続的に発生する | 一度きり・低頻度 | |
|---|---|---|
| 専門性が高い | 内製化を目指す(当面は併用) | 外注 |
| 専門性が低い | 内製 | どちらでも |
「専門性が高く、一度きり」が最も外注に向きます。サイト構築、計測の初期設定、デザインが該当します。
業務別の判断
| 業務 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 戦略・企画 | 内製 | 社内でしか決められない |
| ターゲットの決定 | 内製 | 受注実績から |
| 記事の企画 | 内製 | 商談で聞かれることが材料 |
| 記事の執筆 | 併用 | 企画と確認は社内 |
| サイト制作 | 外注 | 専門性が高く低頻度 |
| デザイン | 外注 | 同上 |
| 計測の設定 | 外注 | 技術的で一度きり |
| 広告運用 | 状況次第 | 規模が小さければ内製 |
| 資料のデザイン | 外注 | — |
| 顧客への接触 | 内製 | 外注できない |
| 分析 | 内製 | 判断に直結 |
「戦略・企画」と「顧客への接触」は外注できません。ここを外に出すと、自社の意思決定の根拠が社外にある状態になります。
記事を外注するとき
| 工程 | 担当 | 理由 |
|---|---|---|
| キーワードの選定 | 社内 | 事業の理解が要る |
| 構成の作成 | 社内または共同 | — |
| 材料の提供 | 社内 | 実測値、運用実態、事例 |
| 執筆 | 外注 | — |
| 事実確認 | 社内 | 必須 |
| 公開 | 社内 | — |
| 効果測定 | 社内 | — |
「材料の提供」を省くと、他社記事の言い換えになります。外注先は自社の実測値も運用実態も知りません。これを渡さなければ、一般論しか書けません。
外注先の選び方
| 確認 | 見るポイント |
|---|---|
| 同業・同規模の実績 | 自社に近い事例があるか |
| 担当者 | 誰が実際に作業するか |
| 体制 | 1名か、チームか |
| 報告の頻度と内容 | — |
| 契約期間と解約条件 | — |
| できないことを言うか | 何でもできると言う先は要注意 |
| 成果の定義 | 何をもって成果とするか合意できるか |
「できないことを言うか」は重要な判断材料です。すべて対応可能と答える先は、実態を確認してください。
外注で成果が出ない原因
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| 丸投げしている | 企画と確認は社内で持つ |
| 目的を共有していない | 何を達成したいかを伝える |
| 材料を渡していない | 実測値、事例、運用実態 |
| 成果の定義が曖昧 | 何をもって成果とするか合意 |
| 報告を見ていない | 定期的に確認する |
| 社内に担当者がいない | 窓口を1人決める |
| 期間が短すぎる | SEOなら6か月以上 |
「丸投げ」が最も多い失敗です。外注は自社の手を減らすものであって、判断を代行させるものではありません。
内製化への移行
- ① 外注先と並走する:作業を見て学ぶ
- ② 手順を文書化してもらう:契約時に条件として入れる
- ③ 一部を社内でやってみる:記事1本、広告1キャンペーン
- ④ 段階的に移す:一度に全部を引き取らない
- ⑤ 難しい部分は残す:全部内製化する必要はない
②を契約時に入れてください。後から手順書を求めても、応じてもらえるとは限りません。
費用の考え方
| 比較 | 内製 | 外注 |
|---|---|---|
| 費用 | 人件費 | 委託費 |
| 立ち上がり | 遅い(習得が要る) | 速い |
| ノウハウ | 残る | 残りにくい |
| 品質 | 担当者次第 | — |
| 柔軟性 | 高い | 契約範囲内 |
| 止めたとき | 継続できる | 止まる |
内製の費用に人件費を計上してください。「社内でやれば無料」ではありません。
まとめ
- 判断軸は専門性の高さと継続性
- 「専門性が高く一度きり」が最も外注に向く
- 戦略・企画と顧客への接触は外注できない
- 記事の外注は材料の提供と事実確認を社内で
- 「何でもできる」と言う外注先は実態を確認する
- 最も多い失敗は丸投げ
- 内製化を見据えるなら手順書を契約時の条件に
よくある質問
どこまで外注すべきですか?
専門性が高く、継続的には発生しない業務を外注してください。サイト構築、デザイン、計測の初期設定が該当します。逆に、戦略・企画の決定と顧客への接触は外注できません。ここを外に出すと、自社の意思決定の根拠が社外にある状態になります。
記事は外注してもよいですか?
執筆は外注できますが、企画・材料の提供・事実確認は社内で持ってください。外注先は自社の実測値も運用実態も知らないため、材料を渡さなければ他社記事の言い換えになります。特に自社の機能やサービスに触れる記事は、実装と食い違わないよう必ず社内で確認が必要です。
外注したのに成果が出ません。
最も多い原因は丸投げです。外注は自社の手を減らすものであって、判断を代行させるものではありません。目的の共有、材料の提供、成果の定義の合意、定期的な報告の確認を社内で行ってください。あわせて社内の窓口を1人決めてください。誰の担当でもない状態だと、外注先も動きようがありません。
将来的に内製化したいのですが。
契約時に「手順の文書化」を条件として入れてください。後から求めても応じてもらえるとは限りません。あわせて、外注先と並走して作業を見る、一部を社内でやってみる、段階的に移す、という順序で進めてください。一度に全部を引き取ると、品質が落ちて元に戻すことになります。全部を内製化する必要もありません。