更新日:2026年8月16日
複数拠点・複数事業のマーケティングとは、地域や事業ごとに対象や商材が異なる企業が、それぞれに合った接点を作りながら全体を管理することです。
最初に判断が必要なのは「サイトを分けるかどうか」です。
安易に分けると運用の負荷が倍増し、どちらも更新されなくなります。
サイトを分ける判断
| 状況 | 分ける | 分けない |
|---|---|---|
| 対象顧客が完全に違う | ○ | — |
| 商材が全く違う | ○ | — |
| ブランドを分けている | ○ | — |
| 地域が違うだけ | — | ○(ページで分ける) |
| 同じ顧客に複数商材を売る | — | ○ |
| 更新できる体制がない | — | ○ |
| 事業規模が小さい | — | ○ |
「更新できる体制があるか」が実質的な判断基準です。分けた結果どちらも止まるより、1つを更新し続けるほうが成果が出ます。
分けた場合のコスト
| 項目 | 影響 |
|---|---|
| 更新の工数 | サイト数だけ増える |
| SEOの評価 | 分散する(1つに集約したほうが強い) |
| 制作・保守費 | 増える |
| 計測の管理 | — |
| ブランドの認知 | 分散する |
| 問い合わせ対応 | 窓口が増える |
SEOの評価は分散します。1つのサイトに集約したほうが、ドメイン全体としての評価は高まります。
分けない場合の設計
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 事業ごとのセクション | /service-a/ /service-b/ のように階層で分ける |
| 地域ごとのページ | /area/tokyo/ のように |
| トップで振り分ける | 対象別の入口を作る |
| メニューで分ける | — |
| 問い合わせ先を分ける | フォームで用件を選ばせる |
階層で分ければ、1つのドメインで複数事業を扱えます。SEOの評価も集約されます。
ドメインの扱い
| 方式 | 評価 | 注意 |
|---|---|---|
| 1ドメイン・階層で分ける | 推奨 | — |
| サブドメイン | 状況による | 評価が分かれる場合がある |
| 別ドメイン | 分ける必要がある場合のみ | 評価がゼロから |
| 複数ドメインで同じ内容 | × | 重複コンテンツになる |
同じ内容を複数ドメインに置かないでください。重複と判断され、どちらも評価されないことがあります。
計測の設計
| やること | 理由 |
|---|---|
| 事業・拠点ごとにCVを分ける | どこからの成果か分かる |
| フォームを分ける | — |
| 流入経路を事業別に見る | — |
| レポートを分ける | 担当者が見るもの |
| 全体も見られるようにする | 経営判断用 |
事業別と全体の両方を見られるようにしてください。片方だけだと判断できません。
運用体制
| 体制 | 適する状況 |
|---|---|
| 1人が全事業を担当 | 事業規模が小さい |
| 事業ごとに担当 | 各事業に専任がいる |
| 本部で統括、拠点で実行 | 拠点数が多い |
| 本部で一括 | 拠点に人がいない |
拠点ごとに更新を任せる場合、品質のばらつきが出ます。テンプレートとルールを本部で用意してください。
よくある失敗
| 失敗 | 結果 | 対処 |
|---|---|---|
| 安易にサイトを分ける | どちらも更新されない | 1つに統合 |
| 同じ内容を複数ドメインに置く | 重複と判断される | 正規URLを指定、統合 |
| 拠点ごとに勝手に作る | 表記・品質がばらつく | ルールを決める |
| 計測が分かれていない | どこからの成果か不明 | CVを分ける |
| 問い合わせの振り分けがない | 対応が遅れる | フォームで用件を選ばせる |
| 更新が止まったサイトが残る | — | 統合または閉鎖 |
更新が止まったサイトを放置しないでください。情報が古いまま残ると、信頼を損ないます。
まとめ
- 判断の実質的な基準は「更新できる体制があるか」
- SEOの評価は分散する。1つに集約したほうが強い
- 地域が違うだけならページで分ける
- 階層で分ければ1ドメインで複数事業を扱える
- 同じ内容を複数ドメインに置かない
- 事業別と全体の両方を計測する
- 更新が止まったサイトを放置しない
よくある質問
事業ごとにサイトを分けるべきですか?
更新できる体制があるかで判断してください。対象顧客と商材が完全に違い、それぞれに担当者を置けるなら分ける価値があります。一方、体制がないまま分けると、どちらも更新されず両方が古くなります。1つを更新し続けるほうが成果が出ます。
地域ごとにサイトを作るべきですか?
通常は不要です。1つのドメイン内でエリア別のページを作れば十分で、SEOの評価も集約されます。ただし、地域名だけ差し替えた同一内容のページを量産すると評価されないため、その地域の実績や特有の事情を書けるエリアだけに絞ってください。
サブドメインと階層のどちらがよいですか?
階層(/service-a/ など)が無難です。1つのドメインとして評価が集約されやすく、管理も単純になります。サブドメインは扱いが分かれる場合があり、別ドメインは評価がゼロから積み上がるため、明確に分ける必要がある場合に限ってください。
複数拠点で更新を分担すると品質がばらつきます。
本部でテンプレートとルールを用意してください。記事の構成、表記の統一、掲載してよい内容の範囲を決めておくと、ばらつきが抑えられます。あわせて、更新が止まった拠点のページを放置しないでください。情報が古いまま残ると、その拠点だけでなく企業全体の信頼を損ないます。