更新日:2026年8月16日
カスタマージャーニーとは、顧客が自社を知ってから購入・継続に至るまでの一連の道のりを、行動・思考・感情の流れとして整理したものです。これを図にしたものがカスタマージャーニーマップで、どの段階で何を提供すべきかを関係者で共有するために使います。
作ること自体が目的になり、壁に貼られたまま使われないケースが少なくありません。施策に結びつける前提で作る必要があります。
この記事では作り方と、BtoB で使う際の勘所を説明します。
何のために作るのか
目的は大きく3つです。
- 接点の抜け漏れを見つける:検討中の顧客に何も提供できていない段階を可視化する
- 部署間で認識を揃える:マーケ・営業・カスタマーサポートが同じ地図を見る
- 施策の優先順位を決める:離脱が大きい段階から手を打つ
逆にいえば、この3つに使わないなら作る必要はありません。
作り方の5ステップ
| ステップ | やること | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. 対象を決める | どの顧客像の道のりを描くか | 複数の像を1枚に混ぜない |
| 2. 段階を区切る | 認知〜検討〜比較〜決裁〜導入〜継続 | 自社の実態に合わせて増減させる |
| 3. 行動を書く | 各段階で顧客が実際に何をするか | 推測ではなく実データと商談記録から |
| 4. 思考と感情を書く | 何を考え、何に不安を感じるか | 営業へのヒアリングが役立つ |
| 5. 接点と施策を対応させる | 各段階で自社が何を出すか | 空白の段階が改善の候補 |
3 の「実データから」が肝心です。想像で書いたマップは、実際の顧客行動と食い違ったまま運用され、施策の判断を誤らせます。
BtoBで作るときの違い
| 論点 | BtoC | BtoB |
|---|---|---|
| 意思決定者 | 本人 | 担当者・上長・決裁者・情報システム部など複数 |
| 検討期間 | 短い | 数か月〜1年 |
| きっかけ | 欲求 | 課題の発生、予算化、契約更新のタイミング |
| 情報源 | 口コミ、SNS | 比較サイト、事例、展示会、紹介 |
| 描き方 | 1人の道のり | 役割ごとに複数の道のりを描く |
BtoB で最も見落とされるのが決裁者の存在です。担当者が納得しても、上長が別の懸念(予算、他部署との調整、セキュリティ)を持っていれば止まります。担当者向けの資料だけでなく、決裁者が社内で説明するための材料を用意できているかを、マップ上で確認してください。
施策に落とし込む
マップができたら、段階ごとに「今あるもの」と「足りないもの」を並べます。
| 段階 | よくある接点 | 空白になりがちなもの |
|---|---|---|
| 認知 | 広告、検索、SNS | — |
| 情報収集 | コラム、比較記事 | 課題整理のための資料 |
| 比較 | 料金ページ、事例 | 他社との違いを示す資料 |
| 決裁 | 見積、提案書 | 決裁者が社内説明に使う資料、導入効果の試算 |
| 導入 | 初期設定支援 | 運用が定着するまでの伴走 |
| 継続 | サポート | 活用度を上げる提案 |
空白が見つかったら、そこを埋めるコンテンツや仕組みを作ります。全部を一度に埋めようとせず、離脱が大きい段階から着手してください。
使われないマップになる原因
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| 想像だけで作った | 商談記録、アクセス解析、営業ヒアリングを根拠にする |
| 作って終わり | 四半期ごとに実績と突き合わせて更新する |
| 粒度が細かすぎる | 1枚で全体が見える粒度に留める |
| 営業が関わっていない | 作成段階から営業を巻き込む |
| 施策と紐づいていない | 各段階に担当者と施策を明記する |
まとめ
- カスタマージャーニーは顧客の道のりを整理したもの
- 接点の抜け漏れ発見・部署間の認識合わせ・優先順位づけに使う
- BtoB では役割ごとに複数の道のりを描き、決裁者への材料を確認する
- 実データを根拠にし、四半期ごとに更新する
grip space では、サイト内でどのページを見て問い合わせに至ったかが記録されるため、想像ではなく実際の行動データを根拠にマップを検証できます。
よくある質問
カスタマージャーニーマップは何のために作るのですか?
接点の抜け漏れを見つける、部署間で顧客理解を揃える、施策の優先順位を決める、の3つが主な目的です。この3つに使わないのであれば作る必要はありません。
BtoBのカスタマージャーニーはBtoCと何が違いますか?
意思決定に複数人が関わる点が最大の違いです。担当者・上長・決裁者・情報システム部などで関心事が異なるため、役割ごとに別の道のりを描く必要があります。検討期間も数か月から1年と長くなります。
作ったマップが使われません。
想像で作ったか、施策と紐づいていないことが原因です。商談記録やアクセス解析を根拠に作り直し、各段階に担当者と施策を明記してください。四半期ごとの更新も必要です。
どのくらいの粒度で作ればよいですか?
1枚で全体が見える粒度に留めてください。細かくしすぎると更新されなくなります。段階は5〜7個程度が扱いやすい範囲です。