更新日:2026年8月16日
KGI(Key Goal Indicator = 重要目標達成指標)とは、事業や施策が最終的に何を達成すれば成功といえるのかを、ひとつの数字で表したものです。売上高や利益額、契約件数といった経営に直結する数字を置き、そこへ向かう途中経過を測るのが KPI にあたります。
KGI と KPI は並べて語られることが多いものの、役割はまったく別です。この違いが曖昧なまま指標を並べると、数字は毎月報告されているのに事業が前に進まない、という状態になります。
この記事では、KGI の定義と KPI との違い、売上目標から KPI へ落とし込む手順を説明します。分解の作業そのものはKPIツリーの作り方で詳しく扱っています。
KGIとは
KGI は Key Goal Indicator の略で、日本語では重要目標達成指標と訳されます。事業や施策のゴールを数字で表したもので、期末にこの数字を見れば成功だったかどうかが判断できる、という性質を持ちます。
KGI に置かれるのは、たとえば次のような数字です。
- 年間売上高 5 億円
- 営業利益 8,000 万円
- 新規契約 120 件
- 解約率 3% 以下
いずれも経営の意思決定に直結する数字である点が共通しています。逆に「サイトの PV 数」や「メールの開封率」は、それ自体が達成されても事業の成否は決まらないため、KGI にはなりません。
KGIとKPIの違い
KPI(Key Performance Indicator = 重要業績評価指標)は、KGI へ向かう途中経過を測る指標です。ゴールが KGI、そこへ至る道のりの通過点が KPI、という関係になります。
| KGI | KPI | |
|---|---|---|
| 役割 | 達成すべきゴール | ゴールへの進捗 |
| 数 | 1 つに絞る | 複数持つ |
| 確認の頻度 | 年次・半期 | 月次・週次 |
| 例 | 年間売上 5 億円 | 商談数 100 件/月、受注率 25% |
| 動かせるか | 直接は動かせない | 施策で直接動かせる |
最も重要な違いは最後の行です。KGI は直接動かせません。「売上を上げろ」と言われても何をすればよいか分からないのに対し、「商談数を月 100 件にする」なら架電やフォーム営業といった具体的な手段が決まります。KPI とは、そういう行動に変換できる粒度まで下ろした数字のことです。
KGIになる数字、ならない数字
KGI に置けるかどうかは、次の 3 つを満たすかで判断できます。
| 条件 | 満たさない場合に起きること |
|---|---|
| 経営目標と直結している | 達成しても事業が良くなったと言えない |
| 誰が見ても同じ数字になる | 集計方法で解釈が割れ、議論が進まない |
| 期限が決まっている | いつまでに達成するのかが曖昧になる |
よくあるのが 2 つ目です。「新規顧客数」を KGI にしたものの、無料トライアルの登録を含むのか、有料契約だけを数えるのかが決まっておらず、部署ごとに違う数字を報告していた、というケースです。KGI を決めるときは、同時に集計の定義も文章で残してください。
売上目標からKPIへ落とし込む手順
KGI を決めたら、そこから逆算して KPI を作ります。掛け算の形に分解していくのが基本です。
| 段階 | 数字 | 備考 |
|---|---|---|
| KGI | 年間売上 5 億円 | ゴール |
| ↓ 平均単価で割る | 受注 500 件/年 | 平均単価 100 万円の場合 |
| ↓ 受注率で割る | 商談 2,000 件/年 | 受注率 25% の場合 |
| ↓ 12 か月で割る | 商談 167 件/月 | ここが月次の KPI |
| ↓ 商談化率で割る | リード 835 件/月 | 商談化率 20% の場合 |
この分解によって、「売上 5 億円」という漠然としたゴールが「月に 835 件のリードを集める」という今日から動ける数字になります。ここまで下ろして初めて、広告を増やすのか、フォーム営業を始めるのか、といった施策の議論ができます。
なお、途中の受注率や商談化率は実績値を使ってください。願望で置くと、達成不可能な KPI が現場に降りてくることになります。
よくある設定ミス
| ミス | 何が起きるか |
|---|---|
| KGI を複数置く | 優先順位が決まらず、現場が判断できない |
| KPI が KGI とつながっていない | KPI を達成しても売上が動かない |
| KPI が多すぎる | 全部を追えず、結局どれも改善しない |
| 行動に変換できない KPI | 「認知度を上げる」など、何をすべきか分からない |
| 他部署が握る数字を KPI にする | 自分たちでは動かせず、責任だけが残る |
特に 2 つ目は見落とされがちです。PV 数を KPI に置いているのに、PV が増えても問い合わせが増えない、という状態がこれにあたります。KPI は「それが動けば KGI も動く」と説明できるものだけを選んでください。
見直すタイミング
KGI と KPI は、それぞれ見直す頻度が違います。
- KPI は四半期ごとに妥当性を確認する。実績が想定と大きく違えば、分解の前提(受注率など)を更新する
- KGI は年度単位。期中に動かすのは、市場環境や事業戦略そのものが変わった場合に限る
KGI を達成できそうにないときに、まず KGI を下げるのは順序が逆です。どの KPI が計画から外れたのかを特定してから、打ち手を決めてください。商談数が足りないのか、受注率が落ちたのかで、対処はまったく変わります。
まとめ
- KGI は事業のゴールを表す数字。1 つに絞る
- KPI はゴールへの進捗を測る数字。行動に変換できる粒度まで下ろす
- KGI から掛け算の逆算で KPI を作る。途中の率は実績値を使う
- KPI は四半期ごと、KGI は年度単位で見直す
指標を決めたあとは、実績を継続して追える状態にしておく必要があります。grip space では、サイトへの流入から問い合わせ、その後の商談化までを同じ画面で追えるため、KPI が計画どおりに動いているかを月次で確認できます。
よくある質問
KGIとKPIの違いは何ですか?
KGI は最終的に達成したいゴールそのもの、KPI はそこへ向かう途中経過を測る指標です。「年間売上 5 億円」が KGI なら、「月間の商談数 100 件」「受注率 25%」が KPI にあたります。KGI は 1 つに絞り、KPI は複数持つのが基本です。
KGIは複数あってもよいですか?
避けてください。KGI が複数あると、どちらを優先すべきか現場で判断できなくなります。売上と利益の両方を追いたい場合は、どちらか一方を KGI に置き、もう一方は「下回ってはいけない条件」として制約に回すほうが機能します。
KGIはどのくらいの期間で設定しますか?
年度単位が基本です。四半期ごとに置くと施策を打つ前に期限が来てしまい、半年以上の仕込みが必要な施策が選ばれなくなります。年度で KGI を置き、四半期では KPI の進捗を見る、という分け方が現実的です。
KGIを達成できそうにないときはどうしますか?
KGI を下げるのではなく、まず KPI のどこで計画から外れたかを特定してください。商談数が足りないのか、受注率が想定より低いのかで打ち手が変わります。KGI 自体を動かすのは、市場環境が前提から変わった場合に限ります。